2023 Fiscal Year Research-status Report
Inverse problems on low-dimensional composite microorganism systems
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20K03750
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
齋藤 保久 島根大学, 学術研究院理工学系, 准教授 (30402241)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ケモスタット微分方程式 / 複合微生物系 |
Outline of Annual Research Achievements |
少数種類のなす不確かな内部構造をもつ複合微生物系を、実際の微生物動態と定性的にも定量的にも合致するケモスタット微分方程式でモデル化し、解のふるまいから内部構造を同定する数学ー逆問題解析―を展開する本研究課題において、実施4年度目における研究実績は以下に記す通りである。 昨年度に引き続き、Ralstonia sp. P-10株、Comanioans testosterone R2株、及びLaB-08の3菌株が形成する複合微生物系において、各菌の単一微生物系としてのフェノール分解能と増殖速度に関する実測値、及びそれらの複合微生物系としてのフェノール分解能と菌ごとの増殖速度に関する実測値をもとに、同系の内部構造を逆問題的視点から解き明かす研究を行った。同3菌株の複合微生物系のおいて、数学、実験、数値シミュレーションのより深い洞察のもと、昨年度の成果以上に、同系の内部構造を明らかにできた。また、さらに新しく研究協力者(京都大学)が加わり、上述の研究から派生的に生まれた微生物間の相互作用ネットワークに関する研究も行った。同成果は論文にまとめ、2023年12月、微生物生態学の分野の国際誌Microbes and environmentsに受理され掲載済である。そして、これらの研究をベースに、同3菌株とは異なるHaB-30とLaB-06の2菌株が形成する複合微生物系に対し、研究協力者(静岡大学)の研究室で得られた興味深い実験成果を踏まえ、それの内部構造を明らかにする研究にも着手した。同2種の営みを実測に基づいて微分方程式でモデル化し、定常状態の漸近安定性条件等から、起こりうる定常状態の制限に成功した。今後、これに数値シミュレーションを逐次的、相補的に組み合わせながら、HaB-30とLaB-06の2菌株のなす不確かな内部構造を同定する数学ー逆問題解析―を展開して行く所存である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度は、昨年度に新たに加わった研究協力者(大学院生)の博士の学位取得にかかった年度だったため、本研究課題の実施初年度から取り組んでいる研究に関し、(昨年度の研究成果を論文執筆中の内容に、当該年度の研究成果を上書きする等の更新もあって)論文投稿までに予想外に時間がかかっていることが難点であるが、昨年度以上に、集中して研究協力者と対面で打ち合わせする機会も設けることができたことが本研究課題の進捗が順調である一因であると考えられる。今後さらなる進展のために、より質的、量的に充実した研究打合せをしつつ、研究成果を出して行きたい。
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Strategy for Future Research Activity |
実施初年度から継続して取り組み、実施3年度目と4年度目に、飛躍的に進展することができたRalstonia sp. P-10株、Comanioans testosterone R2株、及びLaB-08の3菌株(3次元複合微生物系モデル)に関する研究成果を論文に仕上げ、トップクラスの国際誌に掲載させる。また、同3菌株とは異なるHaB-30とLaB-06の2菌株が形成する複合微生物系に対し、研究協力者(静岡大学)の研究室で得られた「2種が定常的で安定な共生関係をなす」という興味深い実験成果を踏まえ、それの内部構造を明らかにする研究に磨きをかける。数学と数値シミュレーションを逐次的、相補的に組み合わせながら、HaB-30とLaB-06の2菌株のなす不確かな内部構造を同定する数学ー逆問題解析―を展開して行く所存である。
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Causes of Carryover |
研究の取りまとめの関係で次年度に持ち越すが、次年度夏に開催される2つの国際学会、韓国数理生物学会・米国数理生物学会合同大会(KSMB-SMB 2024)とヨーロッパ数理生物学会(ECMTB 2024)で講演する機会があり、その旅費の一部に充てる予定である。
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Research Products
(8 results)