2020 Fiscal Year Research-status Report
非確率モデルを用いた統計的推定の枠組みの構築とヘテロな構造を持つデータへの応用
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20K03753
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
竹之内 高志 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (50403340)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロバスト / γダイバージェンス / 独立成分分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
教師なし学習の手法の代表的な例として非線形独立成分分析がある. 非線形独立成分分析は, データに含まれる潜在的な情報を独立性を手がかりとして復元することを目的としている. 効率的に問題を解くために, ロジスティック回帰に基づく判別問題を解くことで非線形独立成分分析を実行するアルゴリズムが存在するが, ロジスティック判別はデータに含まれる外れ値ノイズに脆弱であり, 得られる潜在情報が汚染されやすい. 本研究では, γーダイバージェンスを用いてノイズに対して頑健な非線形独立成分分析のための手法を考案した. 理論的な解析を行った結果, 従来法と比べて非常に強い頑健性を持つことがわかった. また, 数値的にも理論の正当性を確認することができた. 機械学習の実世界への実装が進むに従って, ニューラルネットワークを用いたモデルにより因果効果を推論する方法論が大きな関心を集めている. 意思決定問題において, どの介入行動が良い結果をもたらすか評価することは中心的な課題である. 通常の因果効果推論では一様ランダムな行動方策の下での価値の(二乗)誤差を小さくすることが目標とされるが, 良い意思決定のためには予測が精緻である必要は必ずしもない. そこで, 予測精度と同時に``比較的良い"行動であるかどうかという判別誤差の最小化も考慮した損失関数を考案し, ニューラルネットワークを用いて良い意思決定器を構成する方法を提案し,提案法の優位性を数値的に検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非確率モデルを用いた密度比推定を用いて, 非線形独立成分分析を含む教師なし学習のための新しい方法を考案し, 国際会議などで一定の評価をされている. また, 提案した手法をノイズに対して頑健になるように拡張し, 理論的な解析を行った結果, 従来法に比べて強い頑健性を持つことが明らかとなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
計算量の効率性の観点から, 非確率モデルを用いた統計的推定の方法について重点的に研究をすすめる. 離散, 連続, およびその他のヘテロな構造を持つデータ(グラフ構造など)に対して, 高精度・高効率に推定・推論を行うことが可能な枠組みを提案し, その性質(精度, 効率等)について理論的な保証を与える.
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの蔓延による種々の制限により, 国際会議における情報収集や共同研究者とのミーティングが行えなかったため. 並列計算を行うために必要なGPU搭載の大型計算機を購入する.
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