2020 Fiscal Year Research-status Report
(2+1)Dの交流伝導率やスペクトル関数の臨界性ーCP,O(N)系へのプローブー
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20K03767
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 由弘 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60294401)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 臨界現象 / イジング模型 / 虚数磁場 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚数磁場の下でのイジング模型を数値的に研究した。正方格子及び蜂の巣格子上の反強磁性模型における当該磁性を、純虚数の磁場で破壊する際の臨界現象を有限サイズスケーリング、および、クロスオーバースケーリングで詳細に解析した。結果として一連の臨界指数を決定した。強磁性の場合は、有名なリー=ヤンの「分配関数のゼロ」の研究があり、整然とした理解が得られている。しかし、反強磁性の場合は、近年の計算物理の手法で解析する必要がある。特に、虚数磁場がH=iπT/2の点で、特異な多重臨界性を示す。実際に、この点の直上は、1990年ごろ、日本の研究者達が研究を深めていた。しかしながら、解析的な手法では、この点の周辺の領域の様子がうかがい知れない。我々の研究は、先行する研究より改良されており、この多重臨界現象まで系統的に解析できる。結果として、正方格子と蜂の巣格子の違いを指摘することができた。単なるイジング模型で新種の臨界性を見出したことは意義深い。デュアリティ変換の様子がきいているものと考えた。すなわち、正方格子の裏格子は、正方格子であり。蜂の巣格子の裏格子は、三角格子である。従って、高次元の場合は、いっきに非自明になると考える。 近年の研究(例えば、S.Basu等、arXiv:2001.05475)により、この種の虚数温度の統計力学とダイナミクスの物理とは、密接な関係がある。本研究は、従って、今後のダイナミクス研究を進める為の我々独自の視点と方法論の確立を企図している。特に、方法論的には、極めて共通性が多いので、以後の年度に有効な計算設備の導入や運用に着手、推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
方法論の確立を目指した。コンピューターを導入し、運用する準備をした。最新のコンピューターにおいて、実際に並列計算を試行し性能評価をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの準備に基づき、同様の設備を導入し、計算設備を充実する。特に、性能評価で不満であったメモリー量と計算機間の通信の速度を改善する補修を行う。
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Research Products
(2 results)