2022 Fiscal Year Research-status Report
(2+1)Dの交流伝導率やスペクトル関数の臨界性ーCP,O(N)系へのプローブー
Project/Area Number |
20K03767
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 由弘 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (60294401)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 有限サイズスケーリング / 臨界現象 / 容易面型磁性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に拡張に成功し具体的な研究対象として扱った二次元の容易面型SU(3)磁性体に基づいて研究を継続した。すなわち、この特殊な場合として、もともとの対称性を落として、容易面型SU(2)、あるいは、O(2)の磁性体を扱った。ただし、正方形のクラスターに、ちょうど1量子磁束を印加した。従来、モンテカルロ法でも扱われている課題ではあるが、ここでは、まさに物理的な実現法をとる。すなわち、クラスタを円筒にまるめて、棒磁石を挿入して、側面に垂直に磁束を一様に印加する。ここで、厳密対角化の方法が、複素数の行列要素をもつハミルトニアン行列を、量子モンテカルロ法の欠点を克服し、扱えることを利用している。すると、U(1)の自発的対称性が破れた相、すなわち、超伝導相において、印加した磁束量子が、安定なボルテックスを形成する。このボルテックスの質量を数値的に求めた。そもそも、有限系では、上記のような自発的対称性は破れないために、有限サイズスケーリングの手法を丁寧に適用し所定の量を見積もった。この質量は、モンテカルロ法によっても計算されているのであるが、本研究においては、厳密対角化の方法では質量を直接計算できるなどといった利点をいかして、独自性を担保した研究を行った。当該物理量のエネルギースケールが固定されたことにより、輸送現象(ドゥルーデの重み、スティッフネス)との関係性が確立したことになる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究題目にある題目、すなわち、動的スペクトルの臨界的な性質、及び、そのO(2)の場合の普遍的な性質を計算できた。初年度の計算機環境の整備により、独自の結果を確かなスキームで得られるようになったことが成果である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、ボルテックスの質量を計算しただけであったが、その輸送現象を捉えることが課題となる。関連分野の動向をさぐりつつ、計画をねり、計算を進める。
|
Research Products
(1 results)