2023 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of tensor network renormalization group and high accuracy analysis of phase transitions and critical phenomena
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20K03780
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森田 悟史 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任准教授 (20586903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統計力学 / 計算物理学 / テンソルネットワーク / くりこみ群 / 古典スピン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に (1) ボンド重み付きテンソルくりこみ群法を用いた相転移・臨界現象の解析と (2) フラストレーションのあるスピン模型における研究に取り組んだ。 (1)に関しては、昨年度に開発を行ったテンソルくりこみ群法の新たな計算手法を用いて、古典スピン系における相転移と臨界現象の解析に取り組んだ。不純物ボンド重みによる物理量の高次モーメント計算を用いて有限サイズスケーリング解析を行い、臨界温度と臨界指数を高精度に計算することに成功した。既存手法と比較し、臨界温度や臨界指数など相転移を特徴付ける量の精度が改善することを明らかにした。特に、臨界温度の誤差がボンド次元に対し冪的に減少すること、その冪がボンド重みの配分方法に依存することが新たに判明した。 (2)に関しては、ユニオンジャック格子上の反強磁性6状態クロック模型に着目し、相転移の様相を数値計算により明らかにした。この模型は3つの相転移があり、高温側から無秩序相、Berezinskii-Kosterlitz-Thouless相、スピン回転対称性に対応する6重縮退が破れた秩序相、カイラル秩序に伴う2重縮退が破れたカイラル秩序相の4つの相が現れる。それぞれの相転移が属する普遍性を、主に共形場理論を元に議論を行った。核ノルム正則化を用いたテンソルネットワークくりこみ群法により冗長な相関を取り除くことで、安定的にスケール次元を計算することに成功した。また、分配関数のテンソルネットワーク表現方法とKramers-Wannier双対性の関係を議論し、双対表現で相転移がどのように観測されるかも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テンソルくりこみ群法の手法開発と応用研究が順調に進んでいる。フラストレーションがあるスピン模型への応用に関しては、成果を挙げることができた。ボンド重み付きテンソルくりこみ群法に関しては、基礎的な手法開発が完了し、さらなる応用研究と適用範囲拡大のための手法拡張の段階に入っている。また、計算精度のボンド次元依存性に関する理論も今後の課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
ボンド重み付きテンソルくりこみ群の手法のさらなる発展のために、ボンド重みの配分方法の改善について検討を行う。また、開発手法の応用先の拡大として、一様でない系に対する計算を試みる。モンテカルロ法などの既存手法との精度比較を行い、開発手法の有用性を明らかにする。高次元でも効率的なテンソルネットワークくりこみ群の開発および最適化アルゴリズムについては検討を引き続き行う。
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Causes of Carryover |
論文投稿の遅れにより次年度使用額が発生した。次年度は主に論文投稿料として使用する予定である。
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