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2022 Fiscal Year Research-status Report

Development of Exact First-Principles GW+Bethe-Salpeter Method

Research Project

Project/Area Number 20K03784
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

野口 良史  静岡大学, 工学部, 准教授 (60450293)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords第一原理 / GW近似 / Bethe-Salpeter方程式 / 励起子
Outline of Annual Research Achievements

研究計画書に従い、保存則を満たす「厳密」なGW+Bethe-Salpeter法の確立を目指し、手法開発を継続している。GW近似の範囲で厳密な手続きに則りBethe-Salpeter方程式を解くためには、(1) self-consistent GWを行い、(2) Bethe-Salepter方程式内に現れる4つ全ての項(完全なGW電子-ホール相互作用核)を考慮することが求められる。従来のGW+Bethe-Salpeter法では電子-ホール相互作用核内の4つの項のうち2つの2次の交換項を無視して計算が行われているために、厳密な解法には至っていない。この2つの2次の交換項は1995年にOnidaら(Phys. Rev. Lett., 75, 818 (1995))が初めて第一原理GW+Bethe-Salpeter計算を行って以来、今日まで一度も評価されていない。そのために、2つの2次の交換項が実際にはどれほどの寄与を持つのかは明らかになっていない。
近年の計算機能力の劇的な向上やソフトウェアの開発が進んだことにより、第一原理GW+Bethe-Salpeter法がいくつかのベンチマークセットに適応することができるようになり、計算制度が系統的に議論できるようになってきた。その結果として、極めて小さなサイズの分子には大きな計算誤差(TD-DFTよりも大きな誤差)を生じることが報告されるようになった(Phys. Rev. B, 91, 205111 (2015))。以上のことから、GW近似を超えるさらなる計算手法の開発が強く期待されるようになってきている。そのためにもまずは、GW近似の範囲で「厳密」にBethe-Salpeter方程式を扱うことができるようになる必要がある。本研究課題ではこの問題に取り組み、将来GW近似を超える計算手法の開発に道筋をつけることを目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画書に従い、保存則を満たす「厳密な」GW+Bethe-Salpeter法の確立を目指し手法開発を継続している。従来の方法では主に、DFTを出発点として、Dyson方程式を一回だけ解法をするいわゆるone-shot GW (あるいはG0W0近似)が用いられてきた。この手法は計算コストの面では優れているものの、保存則を満たすことはできない。そこで本研究ではself-consistent GW法プログラムを開発した。プログラム開発はすでに終了しており、現在いくつかの分子に対してテスト計算を行っているところである。これまでのテスト計算の結果から、self-consistent GW法では莫大な計算コストが必要となることが判明した。そこで計算コスト削減のためのプログラム開発を今後行う予定である。
一方で、「厳密」な手続きには従来の方法では無視されてきた2つの2次の交換項を評価する必要もある。すでにプログラム開発は完了しており、2次の交換項を典型的な28個の有機分子へ適応し、解析を行った。有機分子に対して2次の交換項の影響は極めて限定的であることを証明した。これらの結果はすでにいくつかの学会で発表を行うとともに、雑誌(Phys. Rev. B, 106, 045113 (2022))に投稿済みである。また本手法を分子内および分子間の電荷移動型励起子へ適応し2次の交換項の影響を調査中である。この結果は近く雑誌に投稿予定である。

Strategy for Future Research Activity

研究計画書に従い引き続き、保存則を満たす「厳密」なGW+Bethe-Salpeter法の確立を目指す。まずすでに計算を行った電荷移動型励起子に対する2次の交換項の影響を励起子波動関数を用いた励起子解析により明らかにし、論文にまとめ雑誌に投稿する予定である。またself-consistent GWのテスト計算を継続して行い、プログラムの完成を目指すとともに、one-shot GWとself-consistent GWの違いを明らかにする。self-consistent GW法のプログラムの高速化(GPGPU化やより効率的な並列化)も並行して行う予定である。
これまでに本研究課題で完成させた(1)2つの2次の交換項を評価するプログラムと(2)self-consistent GWのプログラムを用いて、保存則を満たす「厳密」なGW+Bethe-Salpeter計算をいくつかの分子に対して行う。光学ギャップや光吸収スペクトルなどを計算し、従来の手法との違いを明らかにする。励起子解析を行い、励起状態の詳細を議論する。得られた結果は論文にまとめ雑誌に投稿をする予定である。また国内外の学会で発表をする予定である。また本研究で得られた知見をもとに、将来beyond GW法を開発する際にいかす予定である。

Causes of Carryover

近年のコロナ禍の影響により出席予定だったいくつかの学会が延期またはオンラインで行われたために、旅費が発生しなかった。また世界的な半導体不足の影響により、当初購入予定であったワークステーションの発売が遅れたために、ワークステーションの購入を次年度に延期をした。以上の2点により、「次年度使用額」がプラスとなった。
翌年度には、ほとんどの学会が対面で開催予定となっているために、繰り越しとなっている旅費を使用する予定である。またワークステーションの購入も計画している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Quantum yield of near-infrared bioluminescence with firefly luciferin analog: AkaLumine2023

    • Author(s)
      R. Ono, K. Osawa, Y. Takahashi, Y. Noguchi, N. Kitadad, R. Saito-Moriya, T. Hirano, S. A. Makid, K. Shibata, H. Akiyama, K. Kanno, H. Itabashi, and M. Hiyama
    • Journal Title

      Journal of Photochemistry & Photobiology, A: Chemistry

      Volume: 434 Pages: 114270/1-6

    • DOI

      10.1016/j.jphotochem.2022.114270

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Development of the Bethe-Salpeter method considering second-order corrections for a GW electron-hole interaction kernel2022

    • Author(s)
      S. Yamada, Y. Noguchi, K. Ishii, D. Hirose, O. Sugino, and K. Ohno
    • Journal Title

      Phys. Rev. B

      Volume: 106 Pages: 045113/1-13

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.106.045113

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] GW+Bethe-Salpeter法の電子-ホール相互作用核に対する 2次の補正項の系統的な調査2022

    • Author(s)
      山田里花,石井浩平,弘瀬大地,杉野修,大野かおる,野口良史
    • Organizer
      分子科学討論会
  • [Presentation] GW+Bethe-Salpeter 法における二次の交換項の開発2022

    • Author(s)
      山田里花,石井浩平,弘瀬大地,杉野修,大野かおる,野口良史
    • Organizer
      日本物理学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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