2022 Fiscal Year Annual Research Report
原子層物質を介して相互作用する分子群・金属微粒子群の光応答に関する理論研究
Project/Area Number |
20K03799
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
瓜生 誠司 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80342757)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グラフェンナノリボン / プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の分子が吸着したグラフェンナノリボンの光応答を、ナノリボンの幅方向の偏光により励起されるプラズモンのエネルギー付近で調べ次の結果を得た。ナノリボンに1つの分子が吸着すると、遮蔽効果の結果、分子の周辺にナノリボンの長さ方向に振動電場が生じる。この振動電場の周期と整合する間隔で複数の分子が吸着すると、各分子によって発生する振動電場が強め合い応答が増大する場合がある。これはナノリボンのプラズモンを介して分子が相互作用する結果と理解できる。 さらに、金ナノ微粒子を配置したグラフェンナノリボンの光応答を調べた。分子の光応答は分子振動や励起子などにより特定のエネルギーに共鳴構造を持つ。これに対して、金ナノ微粒子の光応答は上記ナノリボンのプラズモンのエネルギー付近では共鳴を持たないため、広いエネルギー範囲にわたってナノリボンに一定の影響を及ぼすと予想される。しかし数値計算の結果、ナノリボンのプラズモンにより金ナノ微粒子の光応答が増強され新たなプラズモン共鳴を形成し得ることが明らかになった。このプラズモンによって、金ナノ微粒子周辺には、元のナノリボンのプラズモンによる増強電場と同程度の増強電場が生じ得る。ナノリボンのプラズモンエネルギーは幅の大きさに反比例するためサイズによってプラズモンエネルギーを変調できるが、この新たなプラズモンは幅の大きさによらず常にナノリボンのプラズモンのエネルギー領域に現れる。よって、新たなナノスケールの局所電場増強機構として広いエネルギー領域におけるセンシングに応用できると考えられる。
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