• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

人工量子多体系における超伝導・絶縁体量子相転移の機構解明と新規量子相の探究

Research Project

Project/Area Number 20K03846
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

池上 弘樹  国立研究開発法人理化学研究所, 量子コンピュータ研究センター, 専任研究員 (70313161)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords量子相転移 / 超伝導・絶縁体転移 / ジョセフソン接合アレイ / BKT転移 / 量子光学的測定 / 電気伝導測定
Outline of Annual Research Achievements

量子相転移の性質の解明は、現代量子多体物理における重要な課題の一つである。量子相転移の代表として、超伝導と絶縁体の間の量子相転移がある。この量子相転移は様々な系で見られるが、その相転移の詳細に関しては普遍的な理解には至っていない。本研究では、系のパラメーターを人工的に制御可能な人工量子多体系であるジョセフソン接合アレイを舞台として、超伝導-絶縁体間の量子相転移の性質を解明する事を目的とする。特に、電荷と磁束のダイナミクスを実験的に明らかにすることを目指す。
2022年度は、ジョセフソン接合アレイに対してこれまで得られている電気伝導の実験結果の解析を進めた。特に、EJ/Ec(EJ:ジョセフソンエネルギー、Ec:帯電エネルギー)の値が小さい時に実現される絶縁体相において解析を進めた。絶縁体相では、低温では、電流-電圧特性がI=cV+bV^aで記述されることをこれまで見出している。この特徴的な振舞いはBerezinskii-Kosterlitz-Thouless(BKT)機構による絶縁体転移とクーロン斥力の遮蔽効果で理解出来る事を示し、さらに絶縁体相へのクロスオーバー温度を決定した。これらの結果より、絶縁体転移は、クーパー対の局在化によるもので、熱的に励起された準粒子の寄与は小さい事がわかった。また、温度-EJ/Ecに対する、超伝導-絶縁体の相図を完成させた。これらの結果をまとめたものはPhysical Review Bに掲載される予定である。
一方、量子光学的測定においては、マイクロ波共振器単一光子とジョセフソン接合アレイを強く結合させた系において、これまでに、超伝導‐絶縁体転移の臨界点付近で共振器中の光子の減衰率の増大を観測している。この結果を解析した。
また、これらの研究と並行して、磁束のダイナミクスを観測するために、ジョセフソン接合アレイの熱伝導を測定する準備を進めた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Insulating phase in two-dimensional Josephson junction arrays investigated by nonlinear transport2022

    • Author(s)
      Hiroki Ikegami and Yasunobu Nakamura
    • Journal Title

      physical review B

      Volume: - Pages: -

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi