2020 Fiscal Year Research-status Report
空間反転対称性の破れた新しい六方晶希土類化合物におけるトポロジカル現象の検証
Project/Area Number |
20K03857
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松本 裕司 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (00610304)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トポロジカル物質 / 空間反転中心のない系 |
Outline of Annual Research Achievements |
RRh6Ge4 (R = 希土類, アクチノイド) は六方晶LiCo6P4型構造を持つ。この結晶構造には結晶に空間反転中心が存在しない。またRサイトは局所的な空間反転中心をもたず、R-R間で三角格子を組んでいる。このため、この系は特異な電流磁気効果、トポロジカル半金属、量子スピン状態など多彩な物理現象の発現が期待される。本研究では、RRh6Ge4 (R = 希土類金属)の単結晶を、フラックス法により育成する。その後、その基底状態を明らかにしたのちに、トポロジカル半金属・超伝導の検証、電流磁気効果の検証、強相関物質のスピン軌道相互作用のトポロジカル量子状態の関係の解明を行うことを目的としている。 フラックス法を行うための電気炉を購入し、原材料を真空封入しフラックス法を行える結晶育成環境を整備した。ロジウムが高騰していたため、RRh6Ge4 (R = 希土類)の結晶育成が行えなかった。そのためテストとして関連物質の六方晶Sc0.6Ni2Si4.9型構造を持つ系において新物質探索を行った。その結果として、Sc0.6Ni2Si4.9型において新しい物質を発見するとともに、目的以外のセリウム-パラジウム-アルミニウムの3元系において、六方晶Th2Ni17型構造を持つ相を発見した。 電流磁気効果の検証を行うための、電気輸送測定環境の整備を行った。スポットウエルダーによる試料への端子付けの方法を確立し、輸送測定を行える実験環境を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ロジウム価格の高騰により、その購入ができず結晶育成を行うのが困難であった。さらにコロナ禍において、その対応に追われたため十分な研究時間を確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
高騰しているがロジウムを購入しRRh6Ge4 (R = 希土類)の単結晶を育成する。まずは多結晶でR = La, Y, Scを育成しそのトポロジカル半金属・超伝導の検証を行う。
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Causes of Carryover |
ロジウム価格の高騰により、その購入ができず結晶育成を行うのが困難であった。さらにコロナ禍において、その対応に追われたため十分な研究時間を確保できなかった。 繰り越し分は、ロジウムの購入や物性測定の機器使用料に用いる。
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