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2023 Fiscal Year Research-status Report

正および負ミュオンを用いたダイアモンド格子磁性体における新奇量子相の探索

Research Project

Project/Area Number 20K03864
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

山内 一宏  佐賀大学, 理工学部, 准教授 (60444395)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鄭 旭光  佐賀大学, 理工学部, 教授 (40236063)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywordsダイアモンド格子磁性体 / 幾何学的フラストレーション / ミュオンスピン回転/緩和法
Outline of Annual Research Achievements

ダイアモンド格子磁性体CuRh2O4は、ダイアモンド構造を形成するCuイオンが磁気モーメントを持つ磁性絶縁体である。CuRh2O4は約23Kにおいてらせん磁気秩序を示すが、Cuの一部を磁気モーメントを持たないZnイオンに置換することで磁気秩序温度が低下し、Cuの44%をZnに置換すると磁気秩序が消失する。先行研究では、この磁気秩序の消失は、磁気モーメント間の相互作用が切断され長距離磁気秩序が消失する効果(パーコレーション)ではなく、フラストレーションの効果に起因するものであるとの指摘がなされていた。しかし、フラストレーションの効果が存在することを示す、直接的な実験的証拠は無かった。本研究では、CuRh2O4、磁気秩序が消失する直前のCu0.6Zn0.4Rh2O4, 磁気秩序が消失した直後のCu0.5Zn0.5Rh2O4の試料を作成し、ミュオンスピン回転/緩和(μSR)実験を行うことで、フラストレーションの実験的証拠を得ることを目的としている。

2023年度は、茨城県にあるJ-PARC物質生命科学実験施設のミュオンビームラインにおいてCu0.6Zn0.4Rh2O4のμSR実験を0.3Kの極低温まで行った。その結果、2K以下において遅い磁気ゆらぎを伴う磁気秩序状態が存在していることを明らかにした。また、この遅い磁気ゆらぎの強度が周波数のべきで変化することを見出した。これは、幾何学的フラストレーションの強い磁性体で見られる量子スピン液体状態における磁気ゆらぎで見られる振る舞いであり、この物質において幾何学的フラストレーションが存在することを強く示唆される結果である。また、本研究のために準備した密度汎関数法を用いたミュオンサイト計算法および内部磁場計算法を用いて、フラストレート磁性体ClinoatacamiteのμSRデータの解析を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、海外のミュオン実験施設におけるミュオンスピン回転/緩和実験を予定していたが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、計画どおりに実験を行うことができなかった。そのため、研究の進捗状況はやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

国内のミュオン実験施設であるJ-PARC物質生命科学実験施設におけるミュオン実験を行う。また、並列コンピューターを用いて、ミュオンサイトの予測、および、μSRスペクトルのシミュレーションを行い、データの解析と論文化を進める。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの感染拡大により、海外の実験施設におけるミュオン実験ができない期間(2020-2022年度)があったため。2023年度は海外実験を行うことができたが、得られたビームタイムは平年と同程度であり、多めに使用する機会は無かった。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] パイロクロア系構造Clinoatacamiteにおける磁気誘起相図2023

    • Author(s)
      鄭旭光, 萩原雅人, 山内一宏, 松尾晶, 金道浩一, 河江達也
    • Organizer
      日本物理学会第78回年次大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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