2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effective active stress in collective behaviours of active matters
Project/Area Number |
20K03874
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
義永 那津人 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (90548835)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アクティブマター / 非平衡物理 / 生物物理 / 自己駆動粒子 / 非線形ダイナミックス / 集団運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクティブマターは、細胞や細菌の集団挙動、Janus粒子などのコロイド粒子の動的な凝集構造形成を普遍的に理解するための研究分野である。特に、非平衡状態で多数の自己駆動粒子が示す集団運動の解明が大きなトピックになっている前年度までは、自己駆動粒子を用いて集団運動中の拡散と応答の解析を行い、細菌を用いた実験との比較を行ってきた。本研究では、外部の摂動に対する応答とゆらぎとの関係に注目し、拡散係数や応答係数のようなマクロに特徴づける量が微視的なパラメーターにどのように依存するのか、自己駆動による余分なアクティブストレスがどのように現れるのかに注目している。 本年度も継続して、自己駆動粒子の集団運動の解析を行った。VicsekモデルとActive Brownian粒子、そして流体相互作用を模した長距離の回転相互作用を入れたモデルで、拡散係数と応答係数の解析を行った。慣性の効果や相互作用の対称性、相互作用の密度依存性、易動度の異方性などの効果を調べることによって、実験で観測された密度に対する応答の依存性のメカニズムを調べた。平均場近似による解析により、配向によってゆらぎが抑えられ、その結果応答が強くなることを明らかにした。これらの結果は理論と実験との比較を含めて論文として再投稿中である。 また、微視的な粒子モデルの粒子の軌道をデータにして、そこから連続場の式で記述される流体方程式を、機械学習の手法を用いて推定する研究も行った。VicsekモデルやActive Brownian粒子で推定を行い、近似的に得られている流体方程式に近いものが推定できること、また、粗視化の時間・空間スケールが重要で、適切に微視的な情報をデータから取り除くことが重要であることが分かった。この結果は、ニュートン研究所で行われたアクティブマターの滞在型研究会で発表した。
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Research Products
(13 results)