2022 Fiscal Year Research-status Report
Packing of two dimensional sheet: structural analysis of crumple paper sheet
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20K03882
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中西 秀 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (90155771)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パッキング / クランプリング / フラクタル構造 / ランダムウォーク |
Outline of Annual Research Achievements |
紙のクランプリングについて、その構造のマイクロCTのデータから、質量分布のフラクタル次元や、紙の上に引いた直線のクランプル後の構造について、データを得ていた。その構造を理解するために、簡単なモデルを構成して、計算機シミュレーションを行った。 折り曲げに対して塑性変形をする紙のクランプリングのモデルとして、2次元三角格子上にプラケット折りたたみモデルを考えた。すなわち、各辺を共有する三角形のプラケットからなるシートを考え、それが折りたたまれる。折りたたみに際して、辺の長さ、2面角、および三角形のプラケットの面積の変化を許すが、それぞれエネルギーコストを導入する。紙の塑性を、飽和する非線形性を2面角エネルギーに導入することにより、取り入れた。クランプリングの過程は、全体を球殻に閉じ込めて、球の半径を徐々に小さくすることによってモデル化した。 計算機シミュレーションはモンテカルロ法を用い、javascriptの3次元可視化ツールでリアルタイムにアニメーションを観察できるようにして、モデルの振る舞いを観察しつつ計算機シミュレーションを行った。その結果、一辺の長さLがL<10程度の小さな系では紙のクランプリングと類似の現象を再現できたが、L>30の系ではクランプリングのプロセスが外部ポテンシャルの影響が及ぶ周辺部に限られ、通常の紙のクランプリングとはかなり異なる振る舞いを観察した。その原因は、クランプリングを起こす外部ポテンシャルの変化速度に対して、シートの中を伝わるストレスは遥かに速く伝播するが、それをモンテカルロ・シミュレーションで実現するのが難しいことと推定した。 現在、このように速さの異なる2つのプロセスが関わる現象の効率的なシミュレーション方法を検討中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受けたことと、定年退職したために現役のときの研究環境がなく、研究の進捗が全体として遅くなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した2次元プラケットモデルを用いて、クランプリング過程をシミュレーションするために、速いプロセスとゆっくりしたプロセスが同時に存在する現象の計算機シミュレーションについて、検討する。
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Causes of Carryover |
2022年に開催予定の統計物理学の国際会議STATPHYSで研究結果を発表予定であったが、それがコロナ禍のために2023年に延期されたため、2023年に参加して発表予定。
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