2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of sensitive electric field measurement method by two-stage laser induced fluorescence technique with tunable diode lasers
Project/Area Number |
20K03890
|
Research Institution | Japan Health Care College |
Principal Investigator |
西山 修輔 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (30333628)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | レーザー誘起蛍光法 / 水素プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シースおよびプレシースにおける電界構造の実験的計測が可能となる、半導体レーザーを光源としたプラズマ中の高感度電界計測法の開発を行うことが目的である。初年度である本年度では、二段階励起LIF スキームの詳細な検討と、バルクプラズマにおけるLIF 検出の確認を行った。 LIFスキームの検討では、励起1段目の水素原子のバルマーα線(Ba-α:n=2->3;656nm)および励起2段目のパッシェンβ線(Pa-β:n=3->5;1282nm)のアインシュタインのB係数と、蛍光を観測するバルマーγ線(Ba-γ:n=5->2;434nm)のA係数を、微細構造スペクトルごとに励起確率と蛍光収率を比較して励起経路を検討した。蛍光収率も考慮すると、2S(J=1/2)-3P(J=3/2)-5D(J=5/2)の経路で励起した場合にBa-γ線の蛍光が最も強くなることが分かった。 続いて、ICP装置で生成した水素プラズマ中に2台の波長可変半導体レーザーで発振したBa-α線およびPa-β線のレーザー光を同軸に重ねて入射し、Ba-γ線のLIFの検出を試みた。Ba-α線レーザーの波長を2S(J=1/2)-3P(J=3/2)の遷移に合わせ、Pa-β線のレーザー波長を掃引したところ、非常に弱いLIFが観測され、Pa-β線の励起スペクトルはドップラー幅程度の広がりがあった。また、Ba-α線のレーザー波長を2P(J=2/3)-3D(J=5/2)に合わせてもブロードな励起スペクトルでLIFが観測され、ドップラーフリーの波長分解能とはならなかった。このことから、第一段階でn=2からn=3の準位へ励起されたあとにn=3の微細構造準位の間でポピュレーション移動があること、また、速度分布が熱化されていることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、励起経路の検討およびシュタルクスペクトルの理論計算、1282nmの半導体レーザーを導入、二段励起レーザー誘起蛍光法でLIF信号の検出を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は二段励起レーザー誘起蛍光法の信号は確認できたが、電界計測に用いるためのドップラーフリーの波長分解能が得られず、LIFの強度も不十分であった。これには水素プラズマの吸収が1%未満と小さいことも要因の一つである。第2年度では代替策として微小な吸収のスペクトル計測に適するキャビティリングダウン吸収分光法を用い、レーザー強度を調整することで吸収スペクトルに飽和吸収の効果を導入し、ドップラーフリーの波長分解能のスペクトル取得、さらに電界下でシュタルクスペクトルの確認を目指す。
|
Causes of Carryover |
参加学会がオンライン開催となったため旅費分で差異が生じた。次年度で実験装置の改修に充当する予定である。
|