2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of sensitive electric field measurement method by two-stage laser induced fluorescence technique with tunable diode lasers
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20K03890
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Research Institution | Japan Healthcare University |
Principal Investigator |
西山 修輔 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (30333628)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キャビティリングダウン吸収分光法 / 水素プラズマ / ラムディップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シースおよびプレシースにおける電界構造の実験的計測が可能となる半導体レーザーを光源としたプラズマ中の高感度電界計測法の開発を行うことが目的である。昨年度は二段励起レーザー誘起蛍光法を試み、スペクトルは確認できたが電界計測に用いるためのドップラーフリーの波長分解能が得られずLIFの強度も不十分であった。そこで、本年度は代替策として微小な吸収のスペクトル計測に適するキャビティリングダウン吸収分光法(CRDS)を用いて、レーザー強度を調整することで吸収スペクトルに飽和吸収の効果を導入し、ドップラーフリーの波長分解能のスペクトル取得を行った。 ICP装置に高反射率凹面鏡2枚を用いた長さ1mの光共振器を取り付け、波長可変半導体レーザーの出力を単一モード光ファイバを通してミラーの裏面から入射し、共振器を通過したレーザー光をアバランシェフォトダイオード検出器で検出するCRDSシステムを構築した。共振器の共振状態を表すリングダウン周波数はプラズマによる光の吸収があると増加する。 ICP装置で水素プラズマを生成し、レーザーの発振波長を水素原子のバルマーα線の範囲で変えてリングダウン周波数の時間変化を解析すると、共振器内部の光強度が強く吸収の飽和が生じている場合にはリングダウン周波数が共振器内部の光強度の減衰とともに増加すること、吸収スペクトルの中心波長付近ではラムディップによって吸収が減少し初期のリングダウン周波数が減少することが確認され、1/10000程度の吸収のプラズマに対してドップラーフリーの波長分解能で吸収スペクトルを得る見通しが立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は電界計測に必要な高分解能の吸収スペクトルを得るため、吸収の飽和を考慮したキャビティリングダウン吸収分光法を導入することで光学的に薄い水素プラズマに対するドップラーフリーの波長分解能の吸収スペクトルを計測できる見通しが立てることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、リングダウン周波数の時間変化の解析を高精度化してスペクトルの精度を向上すること、また、入射レーザー光強度とスペクトル波長分解能の関係を検討しレーザー光強度の最適化を図り、電界下における微細構造スペクトルの確認と、シース領域における電界分布の計測を目指す。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会がオンライン開催となったため旅費分で差異が生じた。次年度で実験装置の改修に充当する予定である。
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