2023 Fiscal Year Research-status Report
多粒子種グローバル運動論コードによる選択的加熱を用いた輸送制御方法の開拓
Project/Area Number |
20K03903
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今寺 賢志 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90607839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 泰明 京都大学, エネルギー科学研究科, 名誉教授 (10344441)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 核融合プラズマ / 乱流輸送 / ジャイロ運動論 / 粒子輸送 / 選択的加熱 / 沿磁力線座標系 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の主な成果は以下の2点である。 (1) 選択的加熱による粒子輸送の制御 第一原理ジャイロ運動論コードGKNETを用いてグローバルな乱流輸送シミュレーションを行い,令和4年度に明らかとなった選択的加熱を行った場合の粒子輸送の差異について詳細に解析した。その結果,イオン加熱のみを行った場合は,イオン/電子粒子束の非軸対称成分の総和が負になるのに対して,電子加熱も行った場合は正となることが明らかとなった。これは電子加熱によって,非対角熱拡散項を介して電子粒子束が負になったためと考えられる。また本研究では,そのような有限なイオン/電子粒子束の非軸対称成分を相殺するようにイオン粒子束の軸対称成分が駆動されることが明らかとなった。その結果,イオン/電子加熱を行ったケースでは,イオン粒子束の非軸対称成分と軸対称成分が共に負となり,相乗的な密度ピーキングが達成されることが明らかとなった。
(2) 沿磁力線座標系を導入したGKNETの周辺領域への拡張 コアプラズマを対象とした沿磁力線座標系を導入したGKNET(GKNET-FAC)が取り扱える計算領域をSOL/ダイバータ領域まで拡張するため,X点近傍では直交座標系を,ダイバータ板近傍では非直交座標系を採用した混合座標系を導入した。その結果、GKNET-FACと,SOL領域とダイバータ領域までその計算領域を拡張したGKNET-Xで同様の固有関数が得られ,分散関係も概ね一致することを確認した。また最外殻磁気面を跨ぐITGモードも取り扱えることを確認し,SOL/ダイバータ領域を含めて正常にコードが動作することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主目標である「燃料粒子補給とヘリウム灰排気の両立のための/熱輸送制御」を達成するために,バルクイオンと電子の2種を対象とした詳細な解析が完了し,更にヘリウムを加えた乱流輸送シミュレーションにも着手できたことから,研究は概ね順調に進展している。 また,沿磁力線座標系を導入したGKNETの周辺領域への拡張にも成功しており,進捗状況は良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に着手したバルクイオンと電子,ヘリウムの3種を対象とした乱流輸送シミュレーションを継続的に行い,燃料粒子補給とヘリウム灰排気の両立を目指す。 また令和5年度に完成したGKNET-Xについても,電磁版への拡張など,より現実に即したモデルの実装を目指す。
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Causes of Carryover |
いくつかの学会がオンラインで開催されたことにより,想定より旅費が少なかったことが主な理由である。次年度の前半に物品購入に利用する予定である。
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Research Products
(16 results)