2023 Fiscal Year Annual Research Report
Numerical study on kinetic plasma dynamics in ergodic regions
Project/Area Number |
20K03912
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森高 外征雄 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (20554372)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヘリカル型核融合炉 / ジャイロ運動論シミュレーション / プラズマ輸送解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
大型ヘリカル装置(LHD)を始めとするヘリカル(ステラレータ)型核融合炉の炉心・周辺領域に適用可能なジャイロ運動論モデルを構築した。高温プラズマを閉じ込めるための磁力線が核融合装置に直結する周辺領域では、入れ子状の磁気面を仮定できる炉心領域よりも複雑な磁力線構造が形成される。特にヘリカル型核融合炉では磁力線が絡み合ったエルゴディック層が存在するため、磁場構造の自由度が高いロバストなモデルの構築が必要である。 本研究では、非構造格子と粒子法を組み合わせた数値計算モデルを構築した。非構造格子については、三次元磁場平衡データに基づき異なる形状を持つ二次元非構造格子をトーラス状に配置することで、ステラレータ型核融合装置の非軸対称な磁場配位に対応する。特に、らせん状のヘリカルコイルによって磁力線が大きく変形するLHD周辺領域に対しては、磁力線に垂直な曲面を数値最適化によって作成し、磁力線分布に応じた階層格子を生成することで、磁力線に垂直方向の勾配演算子を含むジャイロ運動論的ポアソン方程式の適用を可能にした。また、曲面上の格子系やジャイロ運動論的ポアソン方程式に現れる磁力線平均操作に対応したポアソンソルバーを開発し、LHDでの妥当性を示した。 開発した手法を用い、まず非軸対称な磁場配位としてLHDの炉心領域、次に摂動共鳴磁場を含む円形トカマク配位での輸送解析を行なった。前者では、LHDで特徴的に現れる大域的な径電場や混合プラズマ中の重水素成分により、水素同位体プラズマ中での閉じ込め劣化が軽減されうるという結果が得られた。後者の摂動共鳴磁場は磁気面構造を壊し、磁気島やそれが重畳されたエルゴディック層を形成する。磁気島内部で平坦化された非軸対称な背景温度分布に対するイオン温度勾配不安定性の線形・非線形時間発展や、磁力線に沿った輸送係数の評価により磁気島内外の新古典輸送特性を明らかにした。
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