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2021 Fiscal Year Research-status Report

Exploring new physics in string theory from numerical analysis in open string field theory

Research Project

Project/Area Number 20K03933
Research InstitutionTokyo University of Science, Yamaguchi

Principal Investigator

岸本 功  山陽小野田市立山口東京理科大学, 共通教育センター, 准教授 (60399433)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords開弦の場の理論 / レベル切断近似 / 数値解 / 単位弦場に基づく解析解 / 二重ブレーン / a-ゲージ
Outline of Annual Research Achievements

前年度に引き続き、ボソン的開弦の場の理論の古典解について、レベル切断近似に基づく数値的手法による研究を遂行した。
前年度の研究[岸本-高橋(2020)]において、単位弦場に基づく高橋-谷本解のタキオン真空解周りの理論におけるSU(1,1)-singletな「二重ブレーン」解を構成したが、その過程の詳細を調べると、高橋-谷本解に入っているパラメータ値の変化により、同一レベルで求めた数値解の分岐が生じることがわかる。この現象が生じる切断レベル20と22で、ゲージ不変量等(エネルギー、ゲージ不変オーバーラップ、BRST不変性の式、実性)をプロットしてその解釈を論じ、紀要にまとめた。
さらに、Kudrna-Schnablの二重ブレーン解およびゴーストブレーン解をSiegelゲージから浅野-加藤のa-ゲージに拡張したユニバーサルな数値解を、切断レベル20まで様々なaの値(無限大を含む)に対して構成し、対応するゲージ不変量等(エネルギー、ゲージ不変オーバーラップ、out-of-a-ゲージの式、実性)を評価した。その結果、タキオン真空解の場合([浅野-加藤(2006)]、[岸本-高橋(2009)])と異なり、二重ブレーン解(の拡張)およびゴーストブレーン解(の拡張)のそれぞれに対応するゲージ不変量の値には、いずれもa-依存性がある傾向が示された。一方、これらの解は、対応するaの値が異なればゲージ条件が異なるが、それぞれ物理的には同一の解を表しているならば、対応するゲージ不変量はaの値に依存しないはずである。よって、aの値を変化させて数値解を構成していく際、例えば、途中のaの値で二重ブレーン解から一重ブレーン解へ遷移した可能性も考えられる。以上に関して論文にまとめたが、今回の計算結果の詳細な物理的解釈については、別の手法による解析が必要であり今後の課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度にMathematicaプログラムを用いて、開弦の場の理論のレベル切断近似のレベル14まで浅野-加藤のa-ゲージの数値解を得ていたが、本年度にその計算コードのC++への翻訳を完了した。このことにより、Mathematicaと比較して圧倒的に速く、かつ、メモリを有効に利用して計算を実行することが可能になった。これを用いて、本科研費で購入した計算機および京都大学基礎物理学研究所のスパコン等で数値計算を遂行した。実際に走らせながら、計算より速く遂行できるようコードを微調整していくことにより、様々なa-ゲージの数値解のレベル20までの計算結果が現実的な時間内で得られ、その結果を論文としてまとめることができた。ただし、これらの数値的「二重ブレーン」解や「ゴーストブレーン」解(およびその拡張)の物理的解釈については、この段階では明確にならなかった。
その後、これまでに得られた数値解の物理的な解釈に向けて、解の周りの理論を調べる研究の準備を進めている。数値解周りの理論について、([Giusto-Imbimbo(2003), Imbimbo(2006)]でSiegelゲージのタキオン真空解に対して行われた計算を参考にして)スカラー状態とベクトル状態に対する運動項を具体的に計算するMathematicaプログラムを開発中である。

Strategy for Future Research Activity

開弦の場の理論において、「二重ブレーン」解や「ゴーストブレーン」解の拡張など、これまでの研究で得られた数値解の物理的解釈を進めるため、数値解の周りの理論のスペクトラムを調べる。そのために、現在開発中のMathematicaプログラムを完成させ、本科研費で購入した計算機および京都大学基礎物理学研究所の計算機等を駆使してできるだけ高いレベルまで計算を遂行し、その数値的な傾向を読み取る。時間的に可能ならば、さらにC++コードへ翻訳し、より高いレベルまでの計算を遂行する。
まずは、Siegelゲージのタキオン真空解周りについてImbimboらの計算結果の確認をした後、Kudrna-Schnablの「二重ブレーン」解および「ゴーストブレーン」解周りについて調べる。次に、高橋-谷本解の周りの理論におけるSiegelゲージのSU(1,1)-singletな数値解(本研究初年度の研究で得ている様々な解)周りについて調べ、パラメータ依存性について従来の結果との整合性とその物理的解釈について検討する。
浅野-加藤のa-ゲージの数値解周りについても、同様な手法が有効かどうか検討し、可能ならば解析を進めていく。
a-ゲージの数値解について、特に(ランダウゲージに対応する)aが無限大の場合に着目して、(ユニバーサルな解に限らない)新たな解の探索とその物理的解釈の探究を行う。

Causes of Carryover

2021年度は(2020年度と同様に)新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当初現地参加を予定していた日本物理学会や研究会等がオンライン開催となり、旅費が生じなかったため、次年度使用額が生じた。
次年度の使用計画としては、日本物理学会や研究会等が現地開催された場合に、その旅費として使用する。さらに、弦の場の理論の計算の遂行により、これまで蓄積されてきた数値データを確実に保存しておくためのパソコン周辺機器(SSD、HDD)や記録メディア(BD、DVD)などの購入費として使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] The Veneziano amplitude via mostly BRST exact operator2022

    • Author(s)
      Kishimoto Isao、Sasaki Tomoko、Seki Shigenori、Takahashi Tomohiko
    • Journal Title

      Nuclear Physics B

      Volume: 974 Pages: 115647~115647

    • DOI

      10.1016/j.nuclphysb.2021.115647

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 単位弦場に基づく解周りの開弦の場の理論における「二重ブレーン」解の分岐について2022

    • Author(s)
      岸本功
    • Journal Title

      山陽小野田市立山口東京理科大学紀要

      Volume: 5 Pages: 75~79

  • [Journal Article] Numerical universal solutions in <i>a</i>-gauge in open string field theory2021

    • Author(s)
      Kishimoto Isao
    • Journal Title

      Progress of Theoretical and Experimental Physics

      Volume: 2021 Pages: -

    • DOI

      10.1093/ptep/ptab134

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] On numerical universal solutions in a-gauge in open string field theory2021

    • Author(s)
      Isao Kishimoto
    • Organizer
      YITP Workshop Strings and Fields 2021
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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