2023 Fiscal Year Annual Research Report
General relativistic rotating stars for evolution in the Lagrangian description
Project/Area Number |
20K03953
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大川 博督 早稲田大学, 高等研究所, 准教授(任期付) (40633285)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 相対論的回転星 / 非線形連立方程式 / 星の進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超新星爆発後に誕生する原始中性子星がニュートリノ放射による冷却によって縮み、10km程度の中性子星になるまでの段階を対象とする。この段階では冷却のタイムスケールが流体のダイナミカルタイムスケールよりも圧倒的に長いため、ニュートリノ放射による組成の変化は直ちに別の平衡状態を作り出す、つまり平衡形状の進化として準静的取り扱いが可能となる。 これまでの研究において、既存のオイラー座標における平衡形状の構築手法とは異なり、新しい非線形ソルバー(W4法)を用いて任意の角運動量分布やエントロピー分布によるラグランジュ的な平衡形状の構築方法を提案した。そして計算コストを低減するW4法の新たな行列分解や流体の釣り合い式を効率的に解くSlice-Shooting法、進化計算に適した相対論的角運動量を固定して得られる平衡形状を具体的に示した。さらに、ニュートリノ放射がどのように平衡形状を変化させるかを相対論的な保存則から示し、既存のオイラー的取り扱いと新たなラグランジュ的取り扱いによって進化がどの程度異なるかを定量的に見積もった。以上を合わせ論文として天文系の国際誌Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載した。 また、新しい非線形連立方程式の解法であるW4法は、無回転中性子星の平衡形状の具体例とともに応用数学系の国際誌Applied Numerical Mathematicsに掲載することができた。 最終年度にはW4法の解説をイギリスの非専門家向け科学雑誌Research Featuresに掲載することができた。
|
Research Products
(2 results)