2022 Fiscal Year Research-status Report

The dynamics of closed strings approaching from open string field theories

Research Project

Project/Area Number	20K03972
Research Institution	Nara Women's University
Principal Investigator	高橋智彦奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (10324956)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	岸本功山陽小野田市立山口東京理科大学, 共通教育センター, 准教授 (60399433) 関穣慶大阪公立大学, 大学院理学研究科, 数学研究所専任研究所員 (60373320)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords	弦の場の理論 / Dブレーン / BRST不変性 / ループ振幅 / 素粒子論 / 弦理論
Outline of Annual Research Achievements	開弦理論における２点振幅の計算手法を考察し、mostly BRST exact 演算子を挿入することによって開弦２点振幅を正しく計算できることを明らかにしてきた。このmostly BRST exact演算子についての研究を行い、新たな結果を得た。まず、mostly BRST exact演算子を挿入した３点関数から閉弦の２点振幅を導出できることを示した。この際、ゴースト数３をもつ閉弦頂点演算子を用いる必要が生じ、様々なゴースト数をもつ頂点演算子に関する研究も行った。特に、ゴースト数２をもつ閉弦頂点演算子の新たな表式を見出し、この演算子を用いて正しい散乱振幅が与えられることを確認した。また、mostly BRST exact演算子を挿入した開弦の１ループ振幅についての研究を行った。開弦タキオン頂点演算子２個とmostly BRST exact演算子１個を挿入したPlanar振幅を計算し、開弦タキオンの１ループ２点振幅が得られることを示した。この結果は、このゲージ固定演算子が、１ループ振幅における並進対称性のゲージ固定においても用いることができることを示しており、トリー振幅におけるSL(2,R)対称性のゲージ固定に対する従来の結果を拡張する結果である。 mostly BRST exact演算子を用いた閉弦のみの散乱振幅を得ることに成功したが、この研究成果と開弦の場の理論における閉弦の記述法との関連を考察中である。これらの研究について３件の学会発表を行い、学術論文として発表すべく準備を進めているところである。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason コロナ感染症の流行のため。
Strategy for Future Research Activity	研究成果をまとめる作業に遅れが生じている。研究計画の延長をし、論文の執筆作業を行っていく。
Causes of Carryover	コロナ感染症の流行のため、国際研究会、国内学会がオンライン開催となり、計画していた旅費の使用額が大幅に減った。セミナーで外部講師を招待する機会も減り、旅費と謝金の支出も減った。また、全般的な研究の遅れから物品購入の額も減った。高性能のパソコンまたはサーバを購入することで、オンライン開催の研究集会への参加に対応できる環境を整備すると同時に、研究成果を電子的に準備できる環境を再構築し、論文としての成果発表を円滑に進めていく。