2020 Fiscal Year Research-status Report
Resolving the gamma-ray emission mechanism from the giant resonance of 12C and 16O and the detection of supernova neutrinos
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20K03989
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
作田 誠 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (40178596)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酸素原子核の巨大共鳴 / 超新星爆発ニュートリノ / ニュートリノ酸素原子核反応 / 電子酸素原子核反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請の目的は、1)軽い安定核の典型である炭素、酸素の巨大共鳴領域(Ex=16-32MeV)からの粒子崩壊と直接電磁崩壊のγ線データ解析により、崩壊機構を定量的に解明すること、そして、2)その結果を(近未来の)超新星爆発からのニュートリノ中性カレント反応検出に生かすこと、である。我々は阪大核物理研究センターで過去に取得した実験データを用いて、炭素の巨大共鳴領域からの粒子(陽子、中性子)崩壊のγ線放出率を数%精度で決定・出版するに至った。本期間中に、まず炭素原子核からの直接電磁崩壊の決定を行い、さらには酸素原子核の粒子・電磁崩壊でのγ線放出率決定も行う。また、超新星爆発からのニュートリノ検出の研究では、我々が測定したγ線放出率を考慮した炭素と酸素中性カレント反応率の事象評価の結果と荷電カレント反応の事象評価と合わせて、出版発表する計画であった。また、データの解析と並行して、超新星爆発や関連するニュートリノ検出の現象論的な解析を進める目標であった。 2020年度実績:γ線データ解析として15本のNaIカウンターのコンプトン散乱抑制の新解析方法を進め、エネルギー分解能の改良を行うことができた。結果として、炭素原子核からの直接電磁崩壊の有意なγ線信号を確認できた。これで、1昨年に出版した炭素原子核の粒子崩壊でのγ線放出率をも改良して、新たな結果を合わせて決定できる目処が立った。来年度の出版に向けて執筆中である。酸素原子核からのデータは統計不足のため、直接電磁崩壊は有意な結果には至りそうにないが、粒子崩壊のγ線放出率解析も進みつつある。実験データ解析とは独立に、超新星爆発ニュートリノの水標的での検出に関する現象論的な論文作成も進めている。全てのテーマに関して来年度の出版に向けて執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、協力研究者との共同解析の進展が予定よりは遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
協力研究者との共同解析状況も回復しており、1年目は、解析方法の改良(コンプトン抑制)を導入することができ、本研究採択後の解析の改良の目処が立ち、少しずつ論文執筆を進めている。2021年度に、炭素データの粒子崩壊・直接電磁崩壊の論文まとめを主に進める。また、関連する超新星爆発の現象論的解析論文まとめも独立して進めている。
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Causes of Carryover |
理由は、コロナ禍のため共同研究や学会参加のために使用予定の旅費を全く使えなかったため。
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Research Products
(5 results)