2023 Fiscal Year Research-status Report
New method for excitation-function measurement using high time-resolution gamma-ray detector
Project/Area Number |
20K03992
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
溝井 浩 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (30388392)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 原子核反応 / γ線計測 / 励起関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、標的物質に入射した原子核ビームが標的核と原子核反応を起こし、その結果生成された励起原子核から放出されるγ線を測定することで、原子核反応が起きた標的内の位置を特定するような装置の開発が目的である。入射した原子核ビームの運動エネルギーと飛行速度はあらかじめ分かっているため、標的中に原子核ビームが入射したタイミングと原子核反応が起きてγ線が発生したタイミングの時間差とから、原子核ビームが標的内でどれだけの距離を飛行したかが計算できる。標的物質内では、原子核ビームは徐々に運動エネルギーを失っていくが、以上の情報から原子核反応を起こした時点で入射原子核が持っている運動エネルギーが推定できる。従って、原子核反応が起きたときの運動エネルギーを特定できることから、本研究で開発している測定方法を使って、原子核反応の励起関数を測定できる。今年度の研究では、本研究で検討した検出器の精密モデルをコンピュータシミュレーションに組み込み、詳細なシミュレーションを行った。その結果、原子核ビームが入射したタイミングを測定する時間分解能と、γ線を検出する時間分解能の双方の影響を考慮しても、原子核反応の位置を特定するために必要な十分な時間分解能が得られることが分かった。さらに、γ線検出器の体積や標的物質からの距離などが、時間分解能にどの程度影響を与えるかも評価することができた。以上の結果から、本研究の方式は原子核反応の励起関数を測定するという目的を十分に達成できることが確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部の部品にまだ納品遅れが発生しているが、コンピュータシミュレーションは順調に進んでおり、本年度中には実機の実測試験を終えられる見込みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度が最終年度であるため、可能な限り実測データを収集したい。
|
Causes of Carryover |
半導体不足により、業者による受注受付が次年度送りとたったため。
|