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2020 Fiscal Year Research-status Report

Study of origin of flavor asymmetry of anti-quarks in the proton by Drell-Yan experiment

Research Project

Project/Area Number 20K04000
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

柴田 利明  日本大学, 理工学部, 特任教授 (80251601)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords反クォーク / フレーバー非対称性 / 陽子 / ドレル・ヤン反応 / 量子色力学 / パートン / グルーオン
Outline of Annual Research Achievements

2020年度の研究目的は、日本・アメリカ・台湾の国際共同研究として行っているSeaQuest実験の実験データの解析を進め、結果を論文として発表することであった。2021年2月に'The asymmetry of antimatter in the proton'と題する論文を Nature誌 (Nature 590 (2021) 561-565) に発表した。
この実験は陽子の中の反クォーク、特に反アップクォークと反ダウンクォークの非対称性を研究する実験である。論文の主な内容は、陽子の中では反ダウンクォークの方が反アップクォークよりも約50%も多い、という実験結果である。基礎的な過程としては、グルーオンからクォーク・反クォーク対が生成されることにより陽子内に反クォークが存在するのであるが、量子色力学の結合定数はフレーバーに依らず共通なので、反ダウンクォークと反アップクォークは同量あると予想される。その予想をくつ返すこの実験結果は、陽子の中のハドロン物理の力学によってこのような非対称性が生じていることを示唆している。
SeaQuestは、アメリカ・フェルミ国立加速器研究所の陽子加速器を用いて、ドレル・ヤン反応によってデータ取得を行い、実験データの解析を進めてきた。2020年度の研究としては、データ解析において主要な要素である実験装置の測定効率の評価、特に測定器の磁気スペクトロメーターの中に組み込んである位置検出器であるドリフトチェンバーの検出効率の評価を行った。ドリフトチェンバーの信号の読み出し回路の性能や、ドリフトチェンバーの受けるノイズを評価し、実験データに対する適切な補正をして、実験結果を前述の論文にまとめて報告をした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験データは、共同研究グループのメンバーが世界のどこからでもアクセスできるようにサーバー上に管理して置かれており、効率よく実験データの解析を進めることができた。
2020年度の研究目標に関しては、メーカーでの生産がコロナ禍の影響で制限され購入ができない物品があったものの、既存の物品を改良したり修理したりして使い、ほぼ目的を達することができた。その結果、SeaQuestグループの最初の論文を発表することができた。
国内・国外ともにコロナ禍のために人の往来に制限があったが、ネットワークを介する電話会議・テレビ会議を毎週行い、研究を順調に進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

論文の発表に関しては、2020年度に最初の論文を出した段階であり、2021年度が、その次の論文に向けて重要な年となる。コロナ禍によるメーカーの生産制限のため2020年度に購入できなかった物品を2021年度には購入して、実験データ解析の際に必要な情報をそろえる予定である。引き続き、毎週の電話会議・テレビ会議を基本として、研究者間の情報共有を維持し、研究を効率よく進める予定である。

Causes of Carryover

測定器について、コロナ禍によりメーカーが生産制限をしたため購入できなかった物品が2020年度にはあったが、2021年度にはこれらを購入して当初の研究目的を達成する予定である。旅費については、コロナ禍のため、データ解析の議論のための会議を延期せざるを得なかったが、2021年度にはこれを実現して研究を推進する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Int'l Joint Research] フェルミ国立加速器研究所/アルゴンヌ国立研究所/ロスアラモス国立研究所(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      フェルミ国立加速器研究所/アルゴンヌ国立研究所/ロスアラモス国立研究所
    • # of Other Institutions
      10
  • [Journal Article] The asymmetry of antimatter in the proton2021

    • Author(s)
      J. Dove, B. Kerns, R.E. McClellan, S. Miyasaka, D.H. Morton, K. Nagai, S. Prasad, F. Sanftl, M.B.C. Scott, A.S. Tadepalli, C.A. Aidala, J. Arrington, C. Ayuso, C.L. Barker, C.N. Brown, W.C. Chang, A. Chen, D.C. Christian, B.P. Dannowitz, M. Daugherity et al., SeaQuest collaboration
    • Journal Title

      Nature

      Volume: 590 Pages: 561-565

    • DOI

      10.1038/s41586-021-03282-z

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Presentation] SeaQuestによる高強度陽子ビームを用いた核子内の反クォークの測定2021

    • Author(s)
      柴田利明
    • Organizer
      日本物理学会第76回年次大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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