2021 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた突発天体検知サーベイロボットの構築
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20K04011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 勝寛 東京工業大学, 理学院, 助教 (10735038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷津 陽一 東京工業大学, 理学院, 准教授 (40447545)
篠田 浩一 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (10343097)
井上 中順 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (10733397)
下川辺 隆史 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40636049)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光学赤外線天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の成果は大きく分けて以下の二点である。 (a) 広視野望遠鏡の設置 本年度前半は広視野望遠鏡用に検討していた2台のアマチュア天文向けCMOSカメラの性能評価を進めた。実験室での試験と大学屋上での試験観測により、このうち1台で天文研究向けの観測に必要な性能を備えていることを確認できた。それを踏まえて10月に岡山県浅口市のMITSuME望遠鏡天体ドーム内に口径20cm広視野望遠鏡を設置して観測を開始した。はじめに重力波追観測用のSDSS gバンドフィルターでの試験観測をおこない、合計1000秒積分で17.5等の限界等級を達成していることを確認した。また、望遠鏡の赤道儀制御、CMOSカメラ撮像制御のソフトウェアを開発して、事前に準備した天体リストにもとづき自動観測を実施できる機能を導入した。本年度は重力波望遠鏡の観測は停止しているため、銀河系内の天体を中心に観測を進めた。 (b) 突発天体検知システム開発 突発天体検知システムは、観測画像の一次処理、深層学習を用いた突発天体の識別システムからなる。我々が運用するMITSuME可視光望遠鏡のパイプラインを移植することで、本年度岡山に設置した広視野望遠鏡の画像処理と測光の自動化を実現した。突発天体識別システムについては、識別精度の向上のため、これまで開発してきた深層学習を用いた識別手法の改善を試みた。また、実運用に向けてサーバーの立ち上げとスクリプト群の開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広視野望遠鏡については、当初計画を前倒し本年度10月に運用を開始し、安定した自動観測とデータ取得が実現できている。突発天体検知システム開発については、突発天体の識別システムの開発はやや遅れているものの、広視野望遠鏡で取得した画像の高速処理が実現できており、全体としてはおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
深層学習を用いた突発天体識別については、識別性能を向上したうえで、MITSuME望遠鏡と広視野望遠鏡の観測データに対して実運用を開始する。2022年12月に開始する重力波望遠鏡で発見された重力波源の追観測を実施する。
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Causes of Carryover |
当初計画案で必要だった一部の物品を別途用意でき購入の必要性がなくなったことなどで次年度使用額が生じた。研究の進捗を加速させるため、専門知識の提供などの人件費として次年度に使用することを検討している。
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