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2021 Fiscal Year Research-status Report

新世代サーベイ観測による巨大ブラックホール進化の研究

Research Project

Project/Area Number 20K04014
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

寺島 雄一  愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (20392813)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsブラックホール / 銀河 / 活動銀河核
Outline of Annual Research Achievements

銀河の中心に存在する巨大質量ブラックホールは、宇宙の様々なスケールにおいて周辺に大きな影 響を与えていることがわかってきている。そのため、宇宙の進化を理解するには、巨大ブラック ホールの性質と進化を網羅的に理解することが必須になっている。本研究では、巨大ブラックホー ルの進化を理解するさいに鍵となる天体である、隠された活動銀河核 (Active Galactic Nuclei) と激 しく質量降着の起こっている AGN の探索を、eROSITA衛星、XMM-Newton衛星(以上X線)、「すばる」望遠鏡超広視野主焦点カメラ (Hyper Suprime-Cam; HSC、可視光)、WISE衛星(赤外線)、GALEX衛星(紫外線)のデータを用いて進めている。これらを用いて、これまで選択バイアスのために見つけることが困難であった種族も含め、巨大ブラックホールの全体像を得ることを目指している。主な成果は次の通りである。
1. eROSITA衛星、すばるHSC、WISE衛星のデータを用いて極端に赤外線で明るい極大光度赤外線銀河を発見し、その性質を査読論文として報告した。また、赤外線で明るい銀河種族のX線での性質を統計的に整理し報告した(査読論文印刷中)。
2. XMM-Newton衛星とWISE衛星のデータを用いて、大量の物質に隠された活動銀河核の系統的探査を行なっている。その中で、軟X線では明るく視線上の物質による吸収の兆候が見られないにもかかわらず、硬X線(5 keV)以上で強く吸収を受けている、きわめて特異なAGNを発見した。また、X線と赤外線で探索した隠されたAGNの系統的解析が進行中である。
3. XMM-Newton衛星のX線と紫外線データを組み合わせ、軟X線と紫外線で明るく、激しく質量降着を起こしており質量が急激に成長しているAGNのサンプルを作成した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題で利用する新世代の他波長サーベイ観測データは、期待どおりに順調に取得できている。これにより、計画したようなさまざまな選択手法を試みることができた。それにより、興味深い性質を持つ巨大ブラックホールの発見や、隠されたAGNや激しい質量降着を起こしているAGNなどのサンプルを構築に成功している。初期成果はすでに査読論文として発表しており、続く論文も準備中である。研究そのものはきわめて順調に進行していると考えている。
一方で、新型コロナウィルス感染症の影響で、対面式の学会がほとんど開催されていないため、初期成果を関連分野の研究者に広く発表する機会がかなり少ない状況である。これについては、2022年度には改善していくと期待している。また、引き続き、査読論文での成果公表は積極的に行なっていく予定である。

Strategy for Future Research Activity

これまでに、新世代サーベイ観測データにさまざまな選択手法を用いることで、隠されたAGNや激しい質量降着を起こしているAGNなどのサンプルを構築してきた。これらのサンプルについて、X線スペクトルや、赤外線-紫外線-可視光-X線の広帯域スペクトルの解析を行う。また、それらを統計的にまとめ、各種学会や査読論文として発表する。特に、軟X線と紫外線で明るく激しく質量降着を起こしており質量が急激に成長しているAGN、赤外線で明るく大量の物質に隠されたAGN、といった種族について、特に重点的に解析を行い、成果発表を進めていく予定である。
また、さまざまな選択手法に伴う選択バイアスの検討、さまざまな種族のAGNの巨大ブラックホール進化の上での位置付けについて考察を行い、本研究課題のまとめとする。
さらに、紫外線から軟X線で明るいAGNサンプルは、質量降着率の大きい状態での降着円盤の放射の研究にも利用できる。いくつかの天体については、降着円盤からの放射スペクトルを詳細にモデル化し、降着円盤モデルへの知見も得たい。

Causes of Carryover

コロナウィルス感染症の拡大により予定していた旅費を使用しなかったため。今後の状況により旅費として使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] Max Planck Institute(ドイツ)

    • Country Name
      GERMANY
    • Counterpart Institution
      Max Planck Institute
  • [Int'l Joint Research] ボローニャ大学(イタリア)

    • Country Name
      ITALY
    • Counterpart Institution
      ボローニャ大学
  • [Journal Article] The eROSITA Final Equatorial-Depth Survey (eFEDS)2021

    • Author(s)
      Toba Yoshiki、Brusa Marcella、Liu Teng、Buchner Johannes、Terashima Yuichi、Urrutia Tanya、Salvato Mara、Akiyama Masayuki、Arcodia Riccardo、Goulding Andy D.、Higuchi Yuichi、Inoue Kaiki T.、Kawaguchi Toshihiro、Lamer Georg、Merloni Andrea、Nagao Tohru、Ueda Yoshihiro、Nandra Kirpal
    • Journal Title

      Astronomy & Astrophysics

      Volume: 649 Pages: L11 (9pp.)

    • DOI

      10.1051/0004-6361/202140317

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-12-28  

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