2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04016
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加用 一者 東京工科大学, 教養学環, 准教授 (80377928)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 重力レンズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,現在データ取得が進行しているすばる望遠鏡Hyper Suprime-Cam (HSC) のデータから,重力レンズ現象を起こしている天体をできるだけ多く発見し,宇宙を占めるダークマターやダークエネルギーといった未知の成分の性質の解明につなげることが目的である。そのために,方法1. Sloan Digital Sky Survey のデータに対して用いてきた手法をHSC用に改修して適用, 方法2. 満員電車の中でも目視探査・分析を可能とするiPhone/iPad用ツールを開発し適用,方法3. 機械学習の手法を適用, という異なる3つのアプローチを取る。 今年度は方法1の結果発見された重力レンズ天体を,論文に報告することができた。この方法が機能することを実証したものであり,今後も継続して推進する。 また,HSCのデータを使った重力レンズ研究の一環として,弱い重力レンズと銀河分布を同時に再現して解析するための高速なシミュレーションコードを開発,公開し,論文出版を行うこともできた。すばる望遠鏡で現在開発中の多天体分光器 (Prime Focus Spectrograph; PFS) によるサーベイ計画において,観測計画の設計に用いられるコードの一つとなっており,基礎的な貢献を行うことができた。 ただし,コロナ禍の影響を極めて大きく受けて,研究全体の進捗は良くない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は,業務の合間の時間や電車による通勤時間などを活用して推進する予定であった。しかし2020年度は年度当初から,勤務校における担当講義科目がすべてオンデマンド形オンラインとなり,講義準備に要する時間が極度に増えた。年間で約140回分の講義動画の収録・編集・公開や,やはり困難に直面する学生たちのサポートに追われ,研究のための時間は失われた。 「研究実績の概要」に記載の方法2では,満員電車の中で目視探査する予定であったが,現状では危険な電車通勤から自家用車通勤に切り替えたため,探査も遅れている (想定の1割程度の進捗である)。方法3の機械学習については,計算機を作ることにもまだ取り組めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
業務の効率化や,電車で通勤できる環境の確保が急務であり,そのためにはコロナ禍が落ち着かなければならないが,現状は厳しい。 研究計画そのものについては,変更せずに推進を試みたい。特に方法2の目視探査の部分については,数分程度の空き時間でも取り組めるような形に仕上げてあるので,継続的に少しずつ進捗させたい。
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Causes of Carryover |
研究進捗の悪化により機械学習のための計算機を製作することができなかったが,一方で研究進捗可能性を考慮して,次年度に製作予定であった計算機を,今年度中に製作した。その差額として次年度使用額が生じた。翌年度分の請求額と合算することで,今年度製作予定だったものを製作し,予算執行予定である。一方,国内外への出張ができなかったために執行できなかった旅費については,次年度も雲行きは怪しい。
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Research Products
(2 results)