2023 Fiscal Year Research-status Report
天文ビックデータが解き明かす真の小惑星軌道分布と氷物質の存在領域
Project/Area Number |
20K04021
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Research Institution | Research for Spaceguard Center, Japan Spaceguard Association |
Principal Investigator |
浦川 聖太郎 特定非営利活動法人日本スペースガード協会(スペースガード研究センター), スペースガード部門, 主任研究員 (80647842)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小惑星 / 彗星 / サーベイ観測 / ビックデータ / アーカイブサイエンス / スペースガード |
Outline of Annual Research Achievements |
すばる望遠鏡HSCによる大規模サーベイ観測(HSC-SSP)が生み出すビッグデータを用いて、直径1km以下(数100mクラス)の未発見小惑星を大量に検出し、小惑星の真の軌道分布を解明することが本研究の大きな目的である。また、地球接近天体の発見および位置測定によりプラネタリーディフェンスに貢献すること、太陽系外縁天体や活動的小惑星のような、発見数の少ない希少な天体の発見も目指す。合わせて、太陽系小天体の探索を研究者のみならず市民や学生が行える環境を実現し、天文学・惑星科学に対する教育的効果をもたらすことも目的とする。これらを実現するために、市民天文学者とともに太陽系小天体捜索を行うことができるアプリケーションCOIASの開発を行なってきた。 COIASは2023年7月に完成し一般公開を開始した。2024年3月22日時点で、約900名のユーザーによって、90000を超える新天体候補の測定結果を国際天文学連合小惑星センター (MPC)に報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
報告した天体のうち、602天体については複数日以上のデータが確認され、仮符号の取得に成功した。このうち2つは地球接近天体、32個は太陽系外縁天体であり当初の研究目的を達成しつつある。新天体候補や仮符号取得天体は今後も増加する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的は達成されつつあるが、測定(報告)結果を取りまとめるまでには2023年度内に達成できなかった。今後は測定結果を精査し、研究成果の取りまとめ作業を行う。
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Causes of Carryover |
データの測定と報告は順調に進捗したが、論文出版には至らなかった。論文出版費用と国内出張旅費に充当する予定である。
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