2022 Fiscal Year Annual Research Report
Simultaneous photometry and spectroscopy of superflares on M- and K-type stars
Project/Area Number |
20K04032
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
前原 裕之 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (40456851)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 恒星フレア / プラズマ噴出 / 恒星黒点 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には以下の2点の研究を中心に行った。 (1)M, K型主系列星でのスーパーフレアの観測的研究を行い、スーパーフレアの発生時のHα線線輪郭の変化から、フレアの可視連続光放射とHα線線幅の時間変化の対応関係の調査とフレアに伴うプラズマ噴出現象の探索を行った。この結果、様々な星のフレアの可視連続光放射とHα線線幅の時間変化には共通性がみられ、磁気リコネクションで生じた非熱的電子が彩層を加熱しフレアの連続光放射とHα線線幅の増大を引き起こす、という描像がスーパーフレアにおいても統一的に成り立つことが分かった。 (2)M,K,G型主系列星でのスーパーフレアよりも1桁以上大きなのエネルギーを解放するRS CVn型連星で起こるスーパーフレアを対象とした観測的研究を行い、スーパーフレアのエネルギーとフレアに伴うプラズマ噴出現象の質量や速度等の関係の統計的研究を行った。この結果、最大級の太陽フレアの7000倍のエネルギーを解放するスーパーフレアにおいて、速度が1500km/s、質量が太陽における最大級のコロナ質量放出(CME)の100-1000倍にも達するプロミネンス噴出を検出し、初めて恒星フレアが星の脱出速度を超えるプラズマ噴出現象を起こし得ることを発見した。 研究期間全体を通して、M、K型主系列星に加えて、比較対象としてG型主系列星やRS CVn型連星を対象にTESSによる測光観測と同時に、せいめい望遠鏡などを用いた高時間分解能の連続分光観測を行い、複数のスーパーフレアについて測光分光同時観測に成功した。この結果、特にフレアに伴うプラズマ噴出現象について、フレアのエネルギーと噴出するプラズマの質量の上限値の間には (プラズマ噴出の質量)∝(フレアのエネルギー)^2/3 となる関係が太陽のCMEと恒星のプロミネンス噴出でおおむね共通して成り立つことを明らかにすることができた。
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Research Products
(13 results)