2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K04042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
はしもと じょーじ 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (10372658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金星 / 地表 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,金星探査機「あかつき」に搭載されたIR1カメラが取得した画像に含まれる迷光について,その除去手法の開発に取り組んだ.同じ探査機に搭載されたIR2カメラでも迷光除去は重要な問題となっており,IR2カメラのチームがIR2の画像から迷光を除去する手法を開発していたので,その手法をIR1カメラで取得した画像の迷光除去に適用することを検討した.しかしながら,迷光はカメラ固有の特徴を反映していて,IR2カメラの迷光除去手法をそのままIR1カメラに適用することは難しかった. 前年度までに整備した計算環境とそれを用いておこなった金星大気の放射輸送計算の結果を活用して,「あかつき」IR1カメラで取得した画像から地表放射率の推定を試みた.迷光除去の手法が確立していないため,迷光の影響が比較的に小さいと判断される2枚の画像を選別し,それぞれについて地表放射率を推定した.2枚の画像はそれぞれ2016年1月21日と2016年9月15日に取得されたものであったが,たまたまほぼ同じ地域を撮影していたため,金星地表の4分の1弱の地域について地表放射率が2回推定された.同一の場所について推定された地表放射率を比較したところ,使用した画像によって推定される地表放射率は大きく異なることが明らかになった.2枚の画像が撮影された間に地表放射率が変化したとは考えにくいことから,データそのものか,地表放射率の推定方法に問題があったことが推察される.IR1カメラは放射輝度の絶対値の較正に問題があることがわかっており,データの較正を再検討する必要があると考えられる.
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