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2020 Fiscal Year Research-status Report

「彗星の結晶質シリケイト問題」から探る惑星系ダストの進化と循環

Research Project

Project/Area Number 20K04053
Research InstitutionNational Astronomical Observatory of Japan

Principal Investigator

藤原 英明  国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (70581445)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 尾中 敬  明星大学, 理工学部, 教授 (30143358)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords惑星形成・進化 / 地球宇宙物質 / 光学赤外線天文学
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、従来は太陽系内での議論にとどまっていた「彗星の結晶質シリケイト問題」の検証を太陽系「外」惑星系にも展開するため、地上大型望遠鏡や宇宙望遠鏡を用いて太陽系外ダスト円盤の高解像度赤外線観測を実行するものである。地上望遠鏡を用いた観測では、広がった太陽系外ダスト円盤の選定やその性質の吟味を、宇宙望遠鏡を用いた観測では、太陽系外ダスト円盤の空間分解分光観測を狙う。

本年度はまず、本研究課題における最有望な観測ターゲットである原始惑星系円盤について、高解像度中間赤外線撮像観測を実施した。これは研究代表者らが提案したすばる望遠鏡共同利用観測のプログラムとして採択されたものである。無事に観測データを取得し、基本的な整約を行った。並行して、顕著な赤外線超過を示し、星周ダストを豊富に持つと考えられる別の天体について、すばる望遠鏡で過去に得られた中間赤外線分光観測データをアーカイブから取得し、基本的な整約を行った。さらにこの天体について、中心星そのものの性質を吟味するための可視光線高分散分光観測をすばる望遠鏡を用いて新規に実施し、データを得た。またこれらのデータ解析に関係する中間赤外線地上観測キャリブレーションデータの一部を、太陽系小惑星の研究に活用した。

さらに、地上大型望遠鏡に加えて宇宙望遠鏡を用いた観測も実施すべく、太陽系外ダスト円盤の空間分解分光観測に向けて研究チームを形成した。その中で、研究代表者と研究分担者が中心となり、専用ツールを使った観測シミュレーションなどを実施した上で、最有望な観測ターゲットについてジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いた観測提案を策定し、サイクル1期公募観測に提出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

すばる望遠鏡を用いた地上観測については、提案した観測プログラムが順調に採択され、良質なデータが取得されている。特に、研究代表者らが本年度に実施した高解像度中間赤外線撮像観測では、他の望遠鏡では取得できない波長・空間解像度・感度でのユニークなデータが取得された。

一方で、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ時期が延期されたことに加え、サイクル1期公募観測に提出した観測提案が、採択に至らなかった。これにより、太陽系外ダスト円盤の空間分解分光観測の実施について、全体の計画に対して遅れが生じている状況にある。

Strategy for Future Research Activity

すばる望遠鏡で取得されたデータのユニークさを重視し、このデータに基づく解析・議論を優先して進める。それにより、太陽系外ダスト円盤天体におけるダストの空間的広がりやその時間変化、ダスト組成などの議論を推進する。

一方でサイクル1期で採択に至らなかったジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での観測については、審査員からの意見も踏まえて計画を見直し、サイクル2期公募観測での提案に向けて準備を進める。その際、すばる望遠鏡で新たに取得されたデータの解析結果についても組み込めるか検討を行う。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの影響で、計画していた研究打ち合わせを、対面での実施ではなくオンラインでの実施に切り替えたため、主に旅費として確保していた分について次年度使用額が生じた。新型コロナウイルスに関する見通しは不明だが、本研究計画を推進するにあたってオンラインでの打ち合わせ・研究集会への参加する機会が今後増える可能性があるため、そのために必要な物品の調達に使用することを計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] 欧州宇宙天文学センター(スペイン)

    • Country Name
      SPAIN
    • Counterpart Institution
      欧州宇宙天文学センター
  • [Journal Article] Low Water Outgassing from (24) Themis and (65) Cybele: 3.1 μm Near-IR Spectral Implications2020

    • Author(s)
      O’Rourke L.、Mueller T. G.、Biver N.、Bockelee-Morvan D.、Hasegawa S.、Valtchanov I.、Kueppers M.、Fornasier S.、Campins H.、Fujiwara H.、Teyssier D.、Lim T.
    • Journal Title

      The Astrophysical Journal

      Volume: 898 Pages: L45~L45

    • DOI

      10.3847/2041-8213/aba62b

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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