2021 Fiscal Year Research-status Report
Detecting magnetohydrodynamic waves within Earth's fluid core by Dynamic Mode Decomposition
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20K04106
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀 久美子 神戸大学, システム情報学研究科, 助教 (30636858)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地球惑星内部物理学 / 磁気流体波 / 地磁気変動 / ダイナモ / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
地磁気全球モデルの解析を本格化させた.データ同化に基づく数十年スケールモデル(cov-obs2019)より,コア流東西方向成分 (Uphi) と地磁気永年変化円柱座標系動径方向成分 (dBs/dt) とを算出し,その軸対称成分に対し動的モード分解を適用した.特に,ねじれアルヴェン波の進行波および定在波を捉えるため,ハンケル動的モード分解を実装した.その結果,先行研究で報告された約6年周期のシグナルが確かに優位であることを確認した.ねじれアルヴェン波のノーマルモード解と比較することにより,これらシグナルを説明する地球コア内ポロイダル磁場構造および強度を推定した. これら成果を基に,非軸対称成分の解析を開始した.まず二次元フーリエ変換により,中緯度帯の地磁気永年変化 dBs/dt に 200-300 年周期のシグナルが認められることを確認した.そのスペクトル構造が,磁気ロスビー波の線形論から示唆されるものから大きくは外れないことがわかった.一方,この解析のみで磁気ロスビー波の存在を結論づけることは難しいことがわかり,今後の課題が明確となった.
また,これらの成果や経過を報告する論文を二編,査読付き国際誌に投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成果や経過を報告する論文(総説)の執筆を,前倒しで行ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
磁気ロスビー波の存在を確かめるため,数十年スケールから数千年スケールまでの地磁気モデルおよびコア流モデルを統一的に扱う.そのためには数千年スケールでの地磁気モデルの精度が必要であるため,共同研究者による最新のモデルを採用する.同時に,そのコア流モデルを作成する.これらから構成したデータセットに対し,ハンケル動的モード分解を適用する.その結果を磁気ロスビー波ノーマルモード解によって説明可能か,また,地球コア内トロイダル磁場構造および強度を推定可能か,精査する.
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Causes of Carryover |
現地参加を予定していた国内外学会が不開催,または,オンライン開催となったため. 論文出版費,データ整理・コード開発の補佐員の人件費・謝金,および,設備備品費の追加より,使用する計画である.
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