2023 Fiscal Year Annual Research Report
Detecting magnetohydrodynamic waves within Earth's fluid core by Dynamic Mode Decomposition
Project/Area Number |
20K04106
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
堀 久美子 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (30636858)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地球惑星内部物理学 / 磁気流体波動 / 地磁気変動 / ダイナモ / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに,木星赤外データに対してハンケル動的モード(以下 HDMD)を適用することで,地球以外の惑星において初めての軸対称アルヴェン波シグナルを検出していた.この結果を Nature Astronomy 誌で出版し,和文および英文でプレスリリースを行なった.これら成果を国内外の地球物理学系学会一件づつで報告したほか,気象学・プラズマ物理学・応用数学など関連諸分野の研究グループ(国内および英国)に対し招待講演を六件以上行った.
また,地磁気全球モデル(cov-obs2019)の非軸対称成分に対する HDMD 結果の物理解釈を試みた.軸対称成分における成果(前述)を受け,その方法論を,非軸対称成分に対して応用し拡張した.ここで基準としたのは,遅進磁気ロスビー波ノーマルモード解である.まず,前々年度までに作成していた,磁気ロスビー波モードの数値計算コードを用いて,複数の背景トロイダル磁場構造に対する同モード固有値・固有関数を系統的に調べた.この固有値を元に HDMD 結果の中から少数のシグナルのみを抽出した.その後,この固有関数が,抽出されたシグナルの空間構造を説明可能か,精査した.しかしながら,この比較解析では,明瞭に結論づけるだけの十分な精度を得ることができなかった.その原因を検討したところ,磁気ロスビー波モードの数値計算コードおよび定式化において施した仮定が,原因の一つであっただろう,ということが明らかとなった.そこで,ノーマルモード解の改良のため,基礎方程式系の再定式化と数値計算コードの改訂とを行なった.現在,その結果(改良されたノーマルモード解)がどの程度の予測精度をもつのか,三次元球殻ダイナモシミュレーションを用いて評価中である.ここで精度を確認した後に.地磁気全球モデルにおける DMD 結果の解釈を再度試みる計画である.
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