2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multi-elements triple stable isotope measurements and its application
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20K04108
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 亮吏 岡山大学, 惑星物質研究所, 教授 (00379819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 安定同位体 / 遷移元素同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
安定同位体は、様々な化学・生物反応過程において、質量依存分別を生じるため、自然界における物質反応過程を解読する為の優れたトレーサーである。一方で、安定同位体は個々の反応過程において、平衡論的同位体効果(EIE)と速度論的同位体効果(KIE)を生じるが、2つの同位体(=1つの同位体比)では、EIEとKIEを判別する術を持たない。これを解決するのが、3安定同位体法である。本研究では、3酸素同位体解析法に加え、ケイ素、遷移元素等の安定同位体解析法を開発し、様々な反応過程の解明に応用することを目的としている。 令和5年度には、主にクロム同位体分析法の開発と応用を行った。クロムは生物、非生物の酸化還元反応による質量依存安定同位体分別が生じることが知られているため有効なトレーサーとなる可能性がある。高精度クロム同位体分析を行うためには、試料からイオン交換法によりクロムを抽出する際、高い回収率が求められる。しかしながら、クロムが複数の価数を持つことに起因し、試料のマトリックス組成によっては、しばしば回収率が低下することが問題となっていた。そこで我々は、様々なマトリックス元素を含む試料から、高いクロム回収率を可能とする方法を開発した。さらに、従来よりも1桁位以上少ないのクロム量を用いて高精度クロム同位体測定を可能とするクロム同位体分析法を開発した。これに加えて、開発した分析方法を応用して、53Cr/52Cr および54Cr/52Crを用いた、小惑星リュウグウ母天体における水質変質過程に関する研究を行った。しかしながら、クロム同位体比を測定する際、53Cr/52Cr および54Cr/52Crの間でわずかに異なった同位体分別が生じ、この違いはEIEとKIEを判別する上で極めて大きな影響を与えることが判明した。したがって、さらなる分析法の改良が必要であることが明らかとなった。
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[Presentation] Aqueous alteration on the progenitor body of the asteroid Ryugu revealed through H-C-N-O isotope systematics2023
Author(s)
Tanaka, R., Potiszil, C., Ota, T,, Kunihiro, T., Sakaguchi, C., Kobayashi, K., Kitagawa, H., Yamanaka, M., Nakamura, E.
Organizer
Goldschmidt 2023
Int'l Joint Research
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