2022 Fiscal Year Annual Research Report
極限環境域に適用可能な小型高性能広帯域地震計の開発と耐環境調査
Project/Area Number |
20K04112
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
山田 竜平 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (60647379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅利 一善 国立天文台, RISE月惑星探査プロジェクト, 特別客員研究員 (40321583)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 広帯域地震計 / 負帰還回路 / 極限環境 / 地震観測 / 温度特性試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、極限環境域に適用可能な小型高性能広帯域地震計の開発と耐環境調査を実施しており、最終年度では以下を実施し各結果を得た。(1)小型負帰還回路の性能調査と改修、(2)広帯域地震計の温度特性試験、(3)広帯域地震計の調軸制御台の開発。 (1)昨年度、広帯域地震計の小型パッケージ化のため、これまでの試作用からセンサーサイズに合う5×5cmの小型負帰還回路を開発した。本年度はその性能評価のため、静穏環境の実現できる地震観測所で性能評価試験を実施した。その結果、まず周波数応答は設計通りの応答を示す事を確認できた。一方、リファレンス地震計との比較観測評価を行ったが、開発した地震計の振子の中立位置が安定せず、十分な観測結果を得られなかった。また、回路の配線の改修等も別途実施した。 (2)広帯域地震計の2種の温度特性試験を実施した。1つはセンサー部のみを、液体窒素で冷却し、-180℃での特性変化を調べ、極低温下であっても、十分にセンサーが稼働可能な事を確認できた。また、回路部については恒温槽の中にいれて-80℃~+80℃の間で温度を変化させて、その応答に有意な変化がない事を確認した。 (3)(1)で中立位置が安定しなかった原因調査としてレーザ変位計を用いて、振子変位と地震計出力との関係を調べた。その結果、地震計が地動を安定して出力できる範囲が100μmの可動範囲に対して、わずか数μmしかない事が分かった。これは、傾斜にして~0.001deg程度に相当し、その精度で地震計の調軸を行う必要がある。そこで、地震計の出力信号に対してフィードバックをかけ地震計の調軸を行う傾斜台を開発し、現状、傾斜計の出力に対して~0.003degの精度で調軸を行う事ができている。 また、今年度は札幌で開催された地震学会の秋季講演会において、これまでの成果発表も行った。
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Research Products
(1 results)