2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K04116
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 一博 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (30358121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 剛 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40243852)
遠藤 俊祐 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (60738326)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 変成反応 / 成長動力学 / 界面律速 / 拡散律速 / ガーネット / ジルコン |
Outline of Annual Research Achievements |
変成岩中のガーネット及びジルコンを用いて,変成反応の動力学の推定をおこなった.白亜紀沈み込み帯の和達ベニオフ帯に沿った低温高圧型三波川泥質片岩中のガーネットは,累帯構造及び粒径分布の特徴から界面律速型の成長が示唆された.低温高圧型泥質片岩中の変成ジルコンの成長動力学も界面律速型で成長したことがすでに報告されており,沈み込み帯におこえる流体相の存在と低温という条件が界面律速型の成長が支配的に理由であると推察した.一方,高温低圧型領家泥質ミグマタイト中のガーネットの形態は,3次元的に複雑な表面形態をなしており,3次元的な枝分かれ構造や,2次元断面ではアメーバー状の形態をなす.このような形態は,成長時の拡散不安定性により形成された可能性を示す.領家泥質ミグマタイト中のジルコンの成長動力学も,サイズ分布から拡散律速型であることが示唆された.領家ミグマタイト中では,メルト存在下での変成鉱物の拡散律速成長が卓越すると推定した.さらに,変成ジルコンに関しては,実験的に求められたメルト中のZr拡散係数を用いて,成長時間の最大値が数10万年から数百万年未満であることを明らかにした.さらに,現実的な成長時間として,数百年から数万年という見積もりも行った.さらに,泥質ミグマタイト中のジルコンのU-Pb年代測定を行うことで,パルス状に起こる複数回の成長履歴の解読に成功した.パルスの間隔は数百万年から1千万年であり,熱源として貫入した花崗岩マグマの貫入とほぼ同期していることを明らかにした.領家変成岩は白亜紀火山弧の深部で形成されたと考えられている.泥質ミグマタイト中のジルコンを用いて火山弧深部の火成活動のパルスを検出する手法を提案した.
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Research Products
(5 results)