2023 Fiscal Year Research-status Report
電離層数値モデルと陸上・海底磁場データを組込んだマントル遷移層描像手法の新展開
Project/Area Number |
20K04125
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 崇夫 東京大学, 地震研究所, 准教授 (00359192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 聖至 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70371721)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 電気伝導度 / Sq場 / C response |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電離層起因の変動Sq場を磁場励起源とした電磁誘導法により、マントル遷移層を主なターゲットとして地下深部の電気伝導度分布の推定を行い、地球マントルの構造およびそのダイナミクスについての情報を抽出することを目的としている。 今年度は、「大気圏ー磁気圏結合モデル(GAIA)」と呼ばれる全地球大気のシミュレーションモデルを電離層起因の入力項とした3次元電気伝導度構造インバージョンの数値実験をおこない、変動Sq場で上部マントル下部~遷移層がよく解像されることを確認した。 また、これまで用いたデータ群、Intermagnetにより公開されている陸上定常磁場観測点データに加え、他の陸上観測点および海底電磁気観測データを使用することで、モデルの解像度を向上させることを検討した。その際に、モデルの与え方・不確定さによりデータフィッティングがどのように変化するのかの検証を、数値実験および実データを用いた解析を通じておこなうことで、定式化および検定手法を確立することができた。 また、海洋島等などでのデータを利用することで、従来データ空白域であった箇所を埋めることにより、モデル解像度の均一化を図ることにした。今年度は台湾の長期磁場測定データを用いることで、磁場応答関数を得ることに成功した。今後さらに地域を増大・選定することで、モデル解像度の向上・均一化をより一層図ることにする。 また、これらの研究成果は国際誌にて公表し、また、国内・国際学会の場でも発表をおこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Sq場モデルと実観測磁場データを用いることによりマントル電気伝導度分布の暫定モデルを構築できており、計画は順調に推移していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
R6年度は、海外の研究協力者を招へいし、議論を重ねることでマントル電気伝導度モデルの完成を目指す。また、研究成果を国際誌に投稿・発表を計画している。
|
Causes of Carryover |
海外の研究協力者をR5年度に招へいし研究内容について議論を行う予定であったが、先方の都合により不可能となった。そのため1年間延期してR6年度に招へいし、議論を行う予定である。次年度使用額は、R5年度に使用予定であった研究協力者の招へい旅費他に充てる予定である。
|
Research Products
(6 results)