2020 Fiscal Year Research-status Report
Modeling of ambient noise wavefield for constructing 3D S-wave velocity structure and applications to urban areas
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20K04133
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 達紀 九州大学, 工学研究院, 助教 (00736845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 微動探査 / トモグラフィ / 表面波 / S波速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、本研究の基礎となる微動データ解析手法の開発に取り組んだ。本研究で提案する解析手法では、地震計アレイデータの解析から非等方な微動のエネルギー分布を推定し、その分布を考慮することで、観測点間を伝わる表面波の速度を安定的に推定するものである。
九州大学周辺に設置した密な地震計アレイ(50×50m程度)により取得された微動データに対して提案手法を適用することで、その有効性を検証した。対象地域は主要道路からの交通振動に起因するノイズが卓越しており、微動エネルギーの不均質性が強い地域である。等方な微動場を仮定した従来のモデリングでは、観測点間の速度を安定的に推定することができなかったが、提案手法により、観測点間の速度を安定的に推定することに成功した。さらに観測点ペアの速度にトモグラフィを適用することで、従来のアレイ解析に対し、より高解像度の速度マップを推定することに成功した。この研究成果はGeophysical Journal International に掲載受理されている。
さらにより大きな地震計アレイ(400×400m程度)により得られたデータに対しても提案手法を適用しており、その有用性を確認している。このアレイデータに含まれる微動の到来方向を調べた結果、60Hz付近の狭い周波数範囲において特定の方向から到来する微動が卓越していることがわかった。これは周辺で行われていた工事に起因する振動の可能性が高いことがわかった。このように密なアレイデータから微動源を特定することができれば、その微動源を考慮した地震計配置をすることで、より効率的に微動を用いた探査が可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初予定していた通り、非等方な微動のエネルギー分布を考慮した地震計間を伝わる微動のモデリングをすることができた。その手法をフィールドデータに適用することで、既存手法に対する優位性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究計画に沿って進める。手法の点では、表面波速度マップから3次元のS波速度構造を推定する手法を検討する。また新型コロナウイルスの影響もあり、都市部での微動データ取得を実施できなかった。新型コロナウイルスの拡大状況を考慮しながら、都市部で微動データを取得し、提案手法の適用性やそれに応じた改良を進めたい。
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Research Products
(3 results)