2022 Fiscal Year Research-status Report
東南アジアの白亜紀花粉化石から明らかにする被子植物の初期進化
Project/Area Number |
20K04148
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初期被子植物 / 進化過程 / 花粉化石 / 白亜紀 / 東・東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
・北海道蝦夷層群三笠層から得られた被子植物花粉Yezopollis mikasaensis (新属新種)についての論文がCretaceous Research誌 (Vol. 136, 2022年4月発行)に掲載された. ・後期白亜紀には,Yezopollis mikasaensisなどのノルマポレス型花粉と共に三突出型花粉が北半球の花粉フローラを優占していた.蝦夷層群函淵層から三突出型花粉が多産し,示準化石として使用出来るため,これまで日本における報告を再検討し,函淵層から得られたデーターを追加し,古地磁気やアンモナイト化石に対比出来る花粉生層序を作成した(学術論文を2022年4月に投稿;現在査読中). ・北海道に分布する白亜系蝦夷層群の追加試料を採集するため,9月4~9日に三笠地域・穂別地域にて調査を行った.三笠地域では下部白亜系日陰ノ沢層,上部白亜系三笠層・羽幌川層,穂別地域では上部白亜系函淵層にて植物化石及び花粉分析用の試料を計40試料採集した.プレパラート作成・標本観察・同定を進めている.蝦夷層群及び東アジアにおける被子植物の進化過程と分布拡大についての研究成果を2nd Asian Palaeontological Congress(2023年8月,東京大学)にて発表予定. ・タイの白亜系Khorat層群試料の花粉分析・観察を行ったが,良質の花粉化石が得られなかった. ・静岡県に分布する下部白亜系伊平層を調査した.葉化石を発見し,花粉分析用試料も採集した.被子植物化石が含まれていなかったが,良質の胞子・裸子植物花粉群集が得られた.伊平層から初めての報告となり,前期白亜紀の植生変遷の理解に役立つ(学術論文準備中).本研究内容は日本古生物学会2024年第173回例会(2024年1月,東北大学)にて発表予定.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年10月に研究代表者が静岡大学に移動したため,花粉抽出実験が遅くなった. 新型コロナウイルス感染拡大のため,2021年度に予定していたタイ・ベトナム調査は取り消しとなった.また,2021年9月に予定していた蝦夷層群調査も,静岡県の緊急事態宣言のため取り消しとなった.北海道蝦夷層群調査を2022年9月に行った. 尚,静岡県に分布する下部白亜系伊平層の調査を追加し,2022年度に行った.
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Strategy for Future Research Activity |
2020~2022年度に採集した試料の花粉分析を終わり,2023年6月に岩手県の下部白亜系宮古層群の調査を予定している. 静岡県に分布する下部白亜系伊平層から得られた葉化石・花粉化石について学術論文を準備し,投稿予定である. 本研究の成果をまとめ,2023年8月に2nd Asian Palaeontological Congress(東京大学),2024年1月に日本古生物学会2024年第173回例会(東北大学)にて発表予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため,2021年度に予定していたタイ・ベトナム調査は取り消しとなった.また,2021年9月に予定していた蝦夷層群調査も,静岡県の緊急事態宣言のため取り消しとなった.北海道蝦夷層群調査を2022年9月に行った.尚,静岡県に分布する下部白亜系伊平層の調査を追加し,2022年度に行った.
2020~2022年度に採集した試料の花粉分析を終わり,2023年6月に岩手県の下部白亜系宮古層群の調査を予定している.2023年8月に2nd Asian Palaeontological Congress(東京大学),2024年1月に日本古生物学会2024年第173回例会(東北大学)にて発表予定である.
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