2022 Fiscal Year Annual Research Report
A construction of X-ray stress measurement using double exposure method
Project/Area Number |
20K04156
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 賢治 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (30154537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 鮎美 (瀬ノ内鮎美) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 主任研究員 (60707446)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | X線応力測定 / 粗大粒 / 溶接部 / 残留応力 / シンクロトロン放射光 / 中性子 / 二重露光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度までの研究成果の総括をし,溶接材の残留応力測定が可能であることがわかったので,突合せ溶接配管の残留応力マップを作成することを試みた.配管から切り出した溶接部の試験片(板厚5 mm)の残留応力分布を70 keVの単色X線,CdTeピクセル検出器および二重露光法で測定した.溶接底部付近を1 mm間隔で溶接配管の軸方向のひずみεaおよび半径方向ひずみεrを測定した.これらのひずみは溶接配管から5 mmの厚さで放電加工で切り出したものであることから,平面応力状態となっているので,そのままでは3軸応力状態の残留応力とは異なる. 前述までの2次元問題に限られていた二重露光法を3軸応力も扱えるようにする必要がある.そのため,中性子回折で3軸応力下の円周方向の残留応力σhの分布を中性子回折により求めた.二重露光法で求めたεa, εrと中性子で求めたσhの関係を平面ひずみ状態を仮定して3軸応力下のσaとσrの残留応力マップを求めた.その結果,溶接底部の詳細な残留応力マップが作成できた.これまでの溶接残留応力による配管からの応力腐食割れでは,底部からHAZ部に向かい少し離れたとこからき裂が発生し,溶接中心部に向かう経路をたどる.得られた残留応力マップのσaの引張応力の分布は,応力腐食割れの発生と進展の結果をよく一致していた. 本研究の成果から,CdTeピクセル検出器を用いた二重露光法は,これまで困難とされていた粗大粒および溶接部の放射光のX線応力測定を解決する手法として有効であることが実証された.特に,高エネルギー放射光X線に適した70 keVから90 keVの鋼,ニッケル基合金,銅合金などに適した手法として活用が期待される.
|
Remarks |
CdTeピクセル検出器の説明があります.また,CdTeピクセル検出器で測定したデータ解析のための汎用ツールもダウンロードできます.応力測定用のツールもあります.
|
Research Products
(8 results)