2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04157
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
樋口 理宏 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (50455185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立矢 宏 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (10216989)
穴田 賢二 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (30756531)
山田 浩之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80582907)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 衝撃工学 / 生体工学 / プロテクター / 高分子材料 / 発泡材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,低速変形時には柔軟性に優れ,高速変形時には剛性が増加する軟質エポキシフォームを応用し,競技時は柔軟で快適性を享受できながら,転倒時には頭頚部の可動域を適切に制限して効果的に頚部を保護するネックプロテクターの開発を目的としている.当該年度は,ネックプロテクターを性能評価するための評価試験装置の設計製作・改良および性能評価方法を検討した. これまで,自動車衝突試験に広く用いられているHybrid IIIダミーの頭頚部を用いた転倒衝突試験を製作していたが,同ダミーの頚部ダミーは転倒衝突のような直接衝突においては剛性が高すぎる問題があったため,文献値を参考にしてヒトの頚部屈曲角度および屈曲抵抗に近い頚部モデルを提案した.同モデルは3つの関節部からなる簡易な構造であるが転倒衝突における頚部運動をより忠実に評価できる.昨年度に引き続き,同モデルを用いた転倒衝突試験により,開発した軟質エポキシフォームの頚部プロテクターとしての性能評価を行い,エポキシフォームを装着することによる頚部屈曲角度の抑制効果を確認した. また,頚部保護性能を評価する指標として頚部荷重の測定が重要になる.そのため,転倒衝突のような直接衝突問題に適用できる上位・下位頚部における3軸分力計を新たに設計開発に取り組んだ.現状では,頚部のせん断力と引張力の測定精度に問題があるがモーメント荷重は高精度に測定できることを確認している.今後は,同分力計を高精度化することで評価試験における荷重測定を実全するとともに,畜温材を用いたエポキシフォームの温度管理による快適性を付与することを検討していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エポキシフォームを用いた頚部プロテクターの性能評価のための装置及び評価方法を確立し,最終年度に向けた準備を整えることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては,外気温に応じた畜温材の設定温度,ネックプロテクターへの挿入箇所・サイズ等の構成を決定し,快適性を享受させるネックプロテクターの最終設計を進める.同設計において,初年度に構築した圧縮特性のマスター曲線を援用することで,設定温度に応じた最適なエポキシフォームの配合比を決定するとともに,エポキシフォームの熱伝導性を考慮した温度保持方法を検討する.また,当該年度に開発した転倒模擬装置および測定機器により,同ネックプロテクターの性能評価試験を実施し,本研究課題で目標とするネックプロテクターの実現を目指す.さらに,これまでは頚部の屈曲のみを対象としているが,伸展を含めた他の運動方向に対しても頚部角度の抑制方法を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により,国際学会発表での発表は見送り,国内学会はオンライン開催のため旅費の支出がなくなった.次年度においては,転倒衝突試験機のセンサー部の改良および保守費用に充当する.
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Research Products
(1 results)