2020 Fiscal Year Research-status Report
発電プラントボイラ設備材料の腐食挙動に及ぼす有機アミンの影響の解明
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20K04158
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
牛 立斌 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (20262694)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 腐食 / ボイラ設備材料 / ボイラ水 / 有機アミン / 有機酸 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
火力発電プラントのボイラ給水・補給水には、水処理薬剤として各種有機アミンを使用する傾向が見られる。しかし、これらのアミンはボイラ設備材料の腐食挙動に与える影響が不明である。さらに、これらのアミンは熱分解により有機酸の蟻酸や酢酸などを生成するため、生成した有機酸が不純物としてプラント水・蒸気系の材料腐食の一要因になることも懸念されている。本研究では、火力発電プラントボイラ設備材料に関して、水処理薬剤として各種の有機アミンや、不純物として有機酸(蟻酸や酢酸)を添加した各種模擬ボイラ水中における各種腐食試験および形成皮膜分析試験などを行い、供試材の腐食機構および不働態皮膜の形成と破壊機構に及ぼす有機アミンならびに有機酸の影響を明らかにする。
令和2年度では、ボイラ鋼管材料のSTBA12とSTBA24低合金鋼および溶接部材について浸漬腐食試験および電気化学的腐食試験を実施した。試験には、発電プラントにおいて全揮発性物質処理(AVT) を行っているボイラ給水の模擬水に、各種の有機アミンと、有機酸（蟻酸と酢酸)および塩化物イオンを組み合わせて添加した各種試験水を用いた。試験水の温度は 90℃とした。
本年度では、塩化物イオン含有ボイラ水中におけるSTBA24低合金鋼およびその溶接部材の腐食挙動に対する蟻酸の影響に関する研究成果を論文としてMaterials Transactions誌に発表した。また、各種の有機アミン（エタノールアミン、シクロヘキシルアミン、モルホリンおよび比較としてアンモニア)をそれぞれ添加した模擬ボイラ水中における供試材の腐食挙動を調査するための各種腐食試験および試験片の形成皮膜分析などを実施し始めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ボイラ鋼管材料のSTBA12とSTBA24低合金鋼および溶接部材について各種腐食試験および試験片の形成皮膜分析試験は、令和2年度初期にコロナウイルスの影響で実験およびその準備が遅れていた。現在は研究をほぼ順調に実施しているが、実験内容の一部および研究成果の発表がやや遅れている。一方、令和2年度に得られた研究成果の一部は令和3年度に学会等で発表する予定がある。
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| Strategy for Future Research Activity |
100時間の浸漬腐食試験によるSTBA12低合金鋼の全面腐食性を調査した結果、従来の水処理薬剤のアンモニアより、ボイラ水に有機アミンを用いた場合の腐食速度が小さくなったことが確認された。一方、STBA24低合金鋼および溶接部材について、ボイラ水に有機アミンを添加した場合の取得データがまだ少なく、継続して調査する必要があると考えられる。令和3年度からは、STBA12とSTBA24低合金鋼およびそれらの溶接部材を用い、各種有機アミンを添加した模擬ボイラ水中における各種腐食試験および試験片の形成皮膜分析試験を行う。
研究成果としてSTBA24低合金鋼およびその溶接部材の腐食挙動に対する蟻酸の影響を論文として発表したが、STBA12低合金鋼やSTBA24低合金鋼およびそれらの溶接部材の腐食挙動に対する酢酸の影響を明らかにする必要がある。令和3年度からは、酢酸および塩化物イオンを組み合わせて添加した各種試験水中における上記供試材の各種腐食試験および試験片の形成皮膜分析などをそれぞれ並行して実施する。
取得した研究成果については、国内外の学会などで発表を行い、論文として学術誌に発表する。
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Research Products
(2 results)
