2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K04169
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Research Institution | Kyushu Institute of Information Sciences |
Principal Investigator |
荒平 高章 九州情報大学, 経営情報学部, 准教授 (30706958)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3Dバイオプリンティング / scaffold / バイオインク / 力学特性 / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,再生医療分野において組織工学に基づく生体外での三次元組織構築に関する研究から,生体外で構築した組織を心臓,角膜,軟骨といったあらゆる生体組織に適用可能になるまでに至っている.しかし,三次元組織構築のためには,細胞が増殖し,組織化するための空間が必要であり,「足場材」がその役割を担っているが,生体との親和性・適合性の問題や,生体組織との置換性といった問題がいまだに解決されていないのが現状である. 本研究では,インクジェット方式のバイオプリンティング技術を用いることにより細胞自身で組織化を促し均一な組織を構築する技術の開発を目的とし,研究を推進している. 前年度は,3Dバイオプリンターを用いて,人工骨組織を構築することを目標に,人工骨組織の骨格となる足場の設計を実施した.現行の3Dバイオプリンターでは,作製できる足場材の高さとしては5mm程度が限界であり,足場材の作製条件の再設計やインクの設計などを現在実施している.作製した足場材に対して細胞培養実験を実施したところ,足場材に対する細胞為害性は確認されず,次年度以降の人工骨組織作製用の足場材として使用可能であることを確認した. 最終年度では,前年度までに最適化した設計条件を用いて実際にバイオインクを調製し,そのバイオインクを用いて三次元構造体を作製した.作製する際,バイオインクにあらかじめ骨芽細胞様細胞を混濁させておくことで,従来の細胞培養法では局所的に細胞密度が高くなるという問題を排除した.作製した足場材は,コラーゲンとアルギン酸で構成されており,細胞培養には適した材料であると考えられる.細胞培養実験結果より,本実験で使用したバイオインクは骨芽細胞分化能や組織化に優れていることが明らかになった.
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