2020 Fiscal Year Research-status Report
Defect Behavior in Mg Alloys with High-accuracy Machine-learning Interatomic Potentials
Project/Area Number |
20K04175
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松中 大介 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (60403151)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械学習 / 第一原理計算 / 原子間ポテンシャル / ニューラルネットワーク / マグネシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
実用金属中最も軽量なマグネシウム(Mg)材料は次世代の軽量構造材料の有望な候補として注目を集めている.MgではHCP構造に由来して複数の変形モードが塑性変形に関係し,それぞれの変形モードに対する合金元素の効果が機械的性質に顕著に反映される.そこで本研究では,機械学習を援用して人工ニューラルネットワーク(ANN)の枠組みに基づく高精度な原子間ポテンシャルを開発し,多様な欠陥構造やMgと合金元素 との異種原子間相互作用にも適用可能なANN原子間ポテンシャルを用いてそれぞれの変形モードを担う種々の欠陥の挙動とその合金元素の効果 を定量的に明らかにすることを目的とする.まず,物理的描像を持たない数理モデルであるANNにおいて原子構造をいかに表現するかという点に関して重要な基底関数を検討した.Behler-Parrinelloによって提案された対称関数と近年提案されているチェビシェフ多項式をそれぞれ適用し,純MgのANNポテンシャルを開発した.ANNポテンシャルの機械学習に適切なリファレンスデータを検証するために,弾性変形や積層欠陥などの機械的特性に関連する最重要な構造モデルに対する第一原理計算の結果を学習させポテンシャルの精度を比較した.純Mgに対して開発したANNポテンシャルは,弾性定数,各すべり系の一般化積層欠陥エネルギー曲線,表面エネルギー,粒界エネルギーをよく再現することができた.開発したANNポテンシャルを世界的な分子動力学(MD)のデファクトコードであるLAMMPS上に実装し,実際にMDシミュレーションを実施することに成功した.さらに2元系Mg合金の例としてMg-Y合金を考え,個々の学習データのモデルを検討して,第一原理計算を遂行してMg-Y合金の学習データを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施においてコロナ禍の影響があったが,他の研究者との情報交換や議論はオンライン会議システムを用いて実施し,計算機の導入の遅延には大型計算機センターを活用するなど種々の対応によって予定の研究計画をおおむね遂行することができている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究はほぼ当初の予定通り進めることができているため,今後の研究の推進方策として当初の予定通り進めていきたいと考えている.具体的には,純Mgに対して開発したANNポテンシャルを用いて底面a転位や錐面c+a転位のMD解析,二元系Mg合金に対する学習データ集積とANNポテンシャルの開発を推し進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で当初予定していた学会参加旅費や研究打ち合わせ旅費が生じなかったことなどから次年度使用額が発生した.次年度の研究遂行を加速化させるためにデータ保存用ストレージや解析用PCの導入に活用したいと考えている.
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Research Products
(3 results)