2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a hydrogen-resistant austenitic steel
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20K04178
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
マカドレ アルノー 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20635891)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鉄鋼材料 / 水素脆化 / オーステナイト / 窒素添加 |
Outline of Annual Research Achievements |
オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)に窒素添加した.窒素添加量は0.3mass%であった.100MPa水素ガス暴露が行い,窒素添加SUS304の引張特性を調べた結果,窒素無添加SUS304と比べてはるかに水素適合性が増加した. 比絞り率(RRA)は,RRAは0.63以上でないと水素適合でないとされている.本研究の0.3mass%窒素添加SUS304のRRAは0.63であった.またニッケル当量がある.水素脆化が促進するマルテンサイト変態の容易性を示すもので,27mass%以上になる必要がある.本研究の材料のニッケル当量はおよそ32mass%であった. 0.3mass%窒素添加SUS304の破断面を観察した結果,疑へき開破壊や結晶粒界破壊を観察できなかった.一方,無添加SUS304の場合,擬へき開破壊はよく観察できた. 最後に窒素添加材の0.2%耐力は,無添加材より高くなり,約310MPaまで増加した(無添加材の場合,200MPaであった).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
窒素添加材の作成ができ,その材料の水素適合性ができた. 窒素添加が困難であるが,予想通りに実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,以上のように0.3mass%窒素添加SUS304を作成し,その材料の冷間圧延および再結晶の準備を取り組んでいる. 令和3年度は,窒素添加+組織微細化の影響を確認する.また破断面下の欠陥の形成および成長経路を分析する. 最後に,X線回折を用いて,転位密度や転位の性質を分析し,窒素添加準安定オーステナイト系ステンレス鋼の水素適合性を引張り特性だけではなく,転位のスケールまで分析する.
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Causes of Carryover |
購入予定の電気炉が設置できず,より小さい電気炉を購入した. コロナ禍のため,出張などは不可であった. 購入した電気炉にはガス交換ができる機器のため,ガスボンベとガス流量調整器を設置する. 実験に不可欠な水素暴露を依頼する.
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