2022 Fiscal Year Annual Research Report
皮下の微細構造とゲルマットが体表面圧迫下のずれに対して血管閉塞を防ぐ効果の解明
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20K04179
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 宏 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (00220400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
自見 至郎 福岡大学, 公私立大学の部局等, 研究特任教授 (30226360) [Withdrawn]
田中 マキ子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (80227173)
森田 康之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90380534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 皮下組織 / ゲル / 圧力 / ずれ |
Outline of Annual Research Achievements |
皮下組織の弱い結合力に関する研究として,繰返しせん断変形を受ける豚ロース肉の皮下組織の1周期にわたるせん断応力とせん断ひずみとの関係に着目して,線形粘弾性モデルの一つである標準線形固体モデルを用いて応力の応答を再現した.モデルの緩和弾性係数は圧縮ひずみの大きさによらずほぼ同じで,緩和時間にはある程度違いが見られた.ひずみが大きくなるとモデルが予測する応力は実験の応力値をやや下回る傾向があるが,本モデルによって応力の応答を概ね再現できた. 褥瘡を発症しやすい部位の皮下組織内の静脈の閉塞に関する研究として,前腕橈側皮静脈に着目した被験者の画像解析を5人の被験者の各2例に対して実施して,皮膚を1mm前後ずらしたときの静脈の変形挙動を調べた.4人の被験者については,皮膚に近接した静脈の上部で皮膚と同様の変位が見られ,静脈の下部では被験者によって変位が異なっていた.また,1人の被験者については静脈上部が皮膚から離れていて,静脈上部の変位は皮膚と比べて顕著に減少していた.また,皮下組織の薄い被験者と皮下組織の厚い被験者に着目し,皮膚を圧縮した場合と皮膚をずらした場合の皮膚押込み下の前腕橈側皮静脈の変形に関する3次元有限要素解析を実施して超音波画像解析と比較した結果,静脈の変位は定性的に測定結果と同様の傾向を示した. ゲル層の褥瘡予防効果に関する研究として,上から順に厚さ6mmのポリマー層(ゲル層)と厚さ10mmのウレタンフォーム層を有する厚さ18mmの層状マットに対して直径20mmの半円筒をマットの10%だけ圧縮してから同じく10%だけずらし,その間の変形挙動を調べたところ,圧縮に対してはポリマーは半円筒の直下で局所的に変形し,ずれに対しては広い範囲で変形したが,その下のウレタン層にはほとんど変形の影響がなかった.
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Research Products
(8 results)