2022 Fiscal Year Annual Research Report
外場によるイオンマイグレーションの能動制御と機能性複合材料の革新的創製
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20K04183
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
李 渊 東北学院大学, 工学部, 准教授 (50625001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康裕 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70803740)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械材料・材料力学 / イオンマイグレーション / 複合材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の結果を踏まえて、最終年度は金属ナノデンドライト/高分子複合材料の特性評価に焦点を当てた研究を遂行し、以下の研究実績が得られた。 まずねじり細線を用いて電界集中を作り出し、イオンマイグレーションを意図的に誘発し、そこから金属ナノデンドライトを優先的に成長させた。また細線の直径とねじり数を変えて電界集中の度合いが金属ナノデンドライト生成への促進効果も解明した。これより、電界集中を意図的に導入することでイオンマイグレーションの発生を制御し、金属ナノデンドライトの初期成長サイトを事前に設計でき、その成長速度も促進できることを示唆している。 次にフレキシブル圧電式ひずみセンサとしての応用展開を図るために、高分子ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる圧電複合材料の特性向上を目指して、外場下におけるイオンマイグレーションを活用して創製したAgND/PVDF複合材料薄膜を取扱い、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて構造解析を行い、d33メータを用いて圧電特性を評価した。その結果、金属ナノデンドライトの添加により、PVDFにおける極性のβ相の形成が促進されることを明らかにしたが、圧電定数d33のばらつきが大きいこともわかった。これはPVDFにおける金属ナノデンドライトの形態の特異性によるものと考えられる。これより、今後は金属ナノデンドライトの成長方向がPVDFの配向分極に与える影響を解明することで、AgND/PVDF複合材料の圧電特性をさらに向上できる可能性を示した。
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Research Products
(1 results)