2022 Fiscal Year Annual Research Report
構造化照明と圧縮センシングを用いた超高解像度2次元ラマン分光高速イメージング
Project/Area Number |
20K04188
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
來海 博央 名城大学, 理工学部, 教授 (30324453)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 構造化照明 / 圧縮センシング / ラマン分光法 / 2次元イメージング / ひずみ分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造化照明を用いた2次元ラマン分光イメージング顕微鏡で得られるデータを圧縮センシングで復元するアルゴリズムを構築するため,2次元ラマン分光イメージング顕微鏡で得られるデータを模擬した2次元ならびに3次元空間のラマンスペクトルのデータキューブをシミュレーションにより作成した. 2次元シミュレーションではSi基板に欠陥を含む場合を対象とした.シミュレーションにより作成されたデータキューブから得られる特定波長のラマンイメージング画像に対して,構造化照明と同等となる9分の1のデータを用いて,圧縮センシングにより画像の復元を行った.2次元の復元においては,き裂の様な欠陥が存在する不連続なデータにおいても精度よく復元でき,き裂位置が判別できた.変化の勾配も全データを用いたデータ変化に近いものとなり有効性を示せた.この時の復元速度は汎用のPCで10秒程度であることから,2次元構造化照明では9回の測定が必要となるが,1回の測定で画像復元あるレベルでできるため,測定時間を数倍速くすることが可能となった. 一方,3次元のラマンイメージングの復元では,基板上に薄膜が製膜された材料を想定し,奥行き方向に,異なるラマンスペクトルを有する3次元のラマンイメージングに対し,復元の可能性について検討を行った.一度に3次元方向を復元する手法ではなく,2回復元することで画像を再構築する手法の検討を行った.復元の仕方により若干結果が異なるが,2方向からの復元でも材料によるラマンスペクトルデータの違いを復元することができ,3次元の構造化照明においても,高速に画像を復元できる可能性を示した.
|