2021 Fiscal Year Annual Research Report
精密測定室外でも使える機械部品群の光干渉を応用する3次元高精度形状計測技術の研究
Project/Area Number |
20K04196
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
安達 正明 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (50212519)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光路差変動 / 金属部品 / 3次元形状計測 / レーザー光 / 波長変更 / スペックル干渉 / 位相波面 / 等価波長 |
Outline of Annual Research Achievements |
精密測定室以外でも使用可能な光干渉を応用した粗面の高精度形状計測法を開発できれば,一台のカメラであっても視野内に影を持たない高精度な3次元形状検査が可能となる.そこで粗面が作るスペックル干渉像をカメラで取りこみ,広い測定視野を確保しながら,金属部品の3次元形状を光路差変動下でも高精度に形状計測できる手法を研究した. まず空気密度の激しい変動を周辺に作る高温物体の実験環境を作り,その環境下でも使える波長可変レーザーを用いた3次元形状計測法の研究開発を行った.その後,開発した方法がどれくらいまでの計測精度を有するかを調べた.本研究で対象とするのは金属粗面であり,粗面に対する形状測定精度を調べようとしたが,精度評価に使える粗面の標準高さ試料は存在しない.そこで確実な厚みが付与されているブロックゲージを入手して重ね,乱反射光を使い段差測定を試みることにした.しかし,ゲージ面はあまりに鏡面に近くて,乱反射光を十分に確保できなかった. 乱反射光の光強度確保を検討する中で,ブロックゲージのサビ防止用のオイルが表面につくと乱反射光強度が上がることが分かった.そこで高さが2000μmや3000μmのゲージ段差を作り,レーザー波長を8種変え,7種の等価波長を利用して,高精度形状計測を試みた.その結果,同じ段差の測定位置を変えたときの高さ変動量を2μm弱に抑える方法を開発できた.しかし高さの絶対値は2000μmで3μm,3000μmで9μmのズレを持った.この原因を調べると,用いた波長可変レーザーは高速波長変更のために,キャビティ内に回折格子を内蔵しており,その回転角度の変動によると分かった.本研究によって,任意方向から乱反射光を使い2000μmや3000μmの段差を繰り返し変動量2μm弱で測定できる基礎技術を開発できたことは大きな研究成果である.
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