2022 Fiscal Year Annual Research Report
骨に近い低弾性率を有するニオブチタン合金の高能率加工技術の構築
Project/Area Number |
20K04200
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 秀治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90278101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 喜隆 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00290734)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 駆動型ロータリー工具 / ニオブチタン合金 / ヘール加工 / 高能率加工 / 切削機構 / チタニウム合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,変形性股関節症の治療に使用される人工股関節システムのステム形状の成形を目指しており,これに用いられるニオブチタン(Nb-Ti)合金材料の高能率加工技術の構築を行うものである.この材料は材料固有の特性である“人骨に近い弾性”を有しており,かつ精密鋳造法により一次成形品が供給しやすい材料である.しかし,極めて高い難加工性を有しているため,骨の代替え材料として優れた医療用材料であるにもかかわらず使用に至っていない.この課題を解決するため,丸駒チップ工具とシリンダ形状の円筒端面外周部を切れ刃とするロータリ工具を用いて切り取り厚さを薄く制御することによる加工特性の向上を検討する.これに加え,ロータリー工具とヘール加工のハイブリッド化による高能率加工技術の構築を目的としている. 本年度はロータリ工具とヘール加工を併用したハイブリッド加工法の加工特性を検証するため,昨年度ラジアスエンドミルで明らかとしたMQL環境によるオイルミストの潤滑の効果と本手法の切削機構について検討した。 湿式切削に比べてオイルミスト潤滑環境下においてはすくい面の溶着物を効果的に抑制することが可能であり,工具寿命を飛躍的に延長することが可能となった.また,本手法においてはヘール加工の送り速度が主たる切削速度となることや,運動機構の解析から駆動型ロータリ工具の採用により有効すくい角がかなり大きくなっていることを確認している.このため,ボールエンドミルでの加工に比べ切削速度を低減できることと薄い超ピッチ型の切りくず生成が寿命延長に大きく寄与していることを明らかとしている.
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