2021 Fiscal Year Research-status Report
Creation of non-circular and non-axisymmetric inner cylinder machining method by controlling the axis' center position of the machine tool spindle
Project/Area Number |
20K04215
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
森本 喜隆 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00290734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 晃生 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (50734430)
大島 政英 公立諏訪東京理科大学, 工学部, 教授 (70233103)
加藤 秀治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90278101)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 工作機械 / 主軸 / 軌跡制御 / 電磁力 / 歳差運動 / 外乱オブザーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
地球環境の温暖化対策には,電気自動車へのシフト,内燃機関のさらなる効率化を実現する必要がある.そのキーファクターの一つにモータケーシング,エンジンシリンダの非円形・非軸対象ボーリング加工の実現がある.半径方向に数十μm程度の起伏と深さ方向に連続的に変化する内筒形状の創成は,EVモータのコギング現象の激減,内燃機関の熱効率50%以上達成の突破口となる.本研究では,電磁力により回転トルクと半径方向力を同時に発生させ,磁気軸受機能と主軸軸心の二次元位置決め機能を併せ持つ新しいビルトインモータを開発する.このモータの半径方向発生力を利用して,ロータとステータ間のクリアランスを二次元位置制御し,主軸回転位置制御と同期させながら内径工具の軸心の歳差運動を利用して,これまで不可能であった内筒形状の非円形・非軸対称加工を可能とする世界初の高機能工作機械用主軸を開発し,マシニングセンタに実装し,その有効性を検証する. これまでに,主軸を開発し基本性能の確認を行ってきた.この結果,主軸モータにおける変位量を10μm程度,工具先端に換算して程度まで制御可能となった.また,このとき外乱オブザーバを搭載することにより,加工中の外乱を推定すること,さらに,これを除去することを可能とするために,主軸コントローラの制御プログラムに実装した. この結果,主軸先端の軌跡誤差は,モータ制御位置とは逆位相で歳差運動をしながら20μm程度の非円形軌跡を描き,そのときの軌跡誤差を3μmから2.5μmまでに減少させることに成功した.これにより,当初の主軸の変位数値目標は達成したことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでに,主軸を開発し基本性能の確認を行ってきた.この結果,主軸モータにおける変位量を10μm程度,工具先端に換算して20μm程度まで制御可能となった.また,このとき外乱オブザーバを搭載することにより,加工中の外乱を推定すること,さらに,これを除去することを可能とするために,主軸コントローラの制御プログラムに実装した.このことは,主軸開発が順調に推移し,また,制御プログラムの開発も実機のパラメータ調整を踏まえて実装できたことが,当初の計画以上に進展していることとなった. この結果,主軸先端の軌跡誤差は,モータ制御位置とは逆位相で歳差運動をしながら20μm程度の非円形軌跡を描き,そのときの軌跡誤差を3μmから2.5μmまでに減少させることに成功した.これにより,当初の主軸の変位数値目標±25μmをほぼクリアしたことを確認した.これも,モータ制御用インバータの改良,制御プログラムの精査により実現できた.
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Strategy for Future Research Activity |
主軸の運動が精度良く制御できること,外乱オブザーバが正確に機能することを確認できたので,マシニングセンタにこの主軸を搭載し,総合的に加工性能を検証することを目指す. すでに,搭載するマシニングセンタの選定は完了しており,これに搭載するための設計を進めているためん,研究の推進に支障はないと思われる.また,軌跡制御で十分な性能を得られたことから,対外的に積極的に成果をアピールし,我が国の技術力を世界に知らしめることを予定している.
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Causes of Carryover |
制御系の開発は順調に進んでいるが,国内外への学会等の発表や技術調査の出張予定が,コロナ禍で相次いでWEB開催,WEB介護に変更したため,当初の予算の執行予定額を下回った. 2022年度は,国際会議も現地で対面の可能性も大きいため,積極的に参加して,予算の有効活用に努めたい.
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Research Products
(3 results)