2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of automobile motion after collision for improvement of collision safety
Project/Area Number |
20K04229
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
西村 尚哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60335099)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自動車事故 / 衝突安全 / 車両設計 / 車両運動解析 / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,二次衝突までも考慮した車両設計,安全対策の改善につながるよう,側面衝突を主とした一次衝突後の車両運動において各種因子が与える影響度合いを定量的に評価し,主要な影響因子と車両運動の相関を解析することで,それらを統合した衝突解析手法を構築することを目的とする. 今年度は,影響因子として車両重心位置に着目し,衝突後の車両運動の把握,評価を試みた.様々な衝突形態の中でも,二次衝突被害を起こす可能性が最も高い側面衝突を想定した.検証方法として,車両模型を用いた2車両の衝突実験において上方より撮影した動画により運動解析を行った.車輪ロック制動状態で停止中および運動中の被衝突車の側面に,車輪ロック制動状態の同型の車両模型(衝突車)を衝突させ,側面衝突位置および車両重心位置が車両の衝突後運動に与える影響を定量的に評価した.3種類の側面衝突位置(前方部,中央部,後方部)に対して,車両模型上の錘位置を変えることで重心位置(前方,中央,後方)を変更し,15度の進入角度で衝突車を発射させる模型衝突実験を実施した.動画解析により,衝突後の被衝突車の重心軌跡,速度変化を求めた結果,重心位置は車両回転運動に最も影響を与えることが明らかになった.重心位置が後方にある方が回転運動が少なく,二次衝突の危険性という点では後方重心のほうが良いと考える. 本研究期間において,側面衝突を基本に,衝突角(車両進入角),衝突位置,車両重心位置を影響因子として運動評価を実施した.車両の並進,回転運動に与える影響度合いが明確になり,とくに衝突条件により再衝突現象を引き起こすことを明らかにした.コロナ禍の影響により研究計画に遅れが生じたが,2車両が速度を有する状態での衝突実験を可能とする装置作製は完了した.今後,衝突条件の変更を重ね,理論解析,数値解析を組み合わせた詳細な運動現象把握をすすめていく.
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